袈裟懸けの傷

<淫行>




「んっ・・・・・・んん・・・・・・ぐっ・・・・・・。」
「おら、声殺さねぇでしっかり啼け!」

ゾロが腰を動かす度に、サンジの痩身が前後に揺れる。
顔を褥に押し付け、敷布を噛んで洩れる声をなんとか押し殺すサンジにゾロはサンジの髪を引っ張って顔を上げさせ る。
そして、一旦腰をギリギリまで退いて思い切り貫く。

「あああっ、あっ・・・・・うん、うっ・・・・・。」

もう、何度ゾロの雄を身体の中に受け止めたろう。
穿っては自分のそれも扱かれ、何度も達しゾロの欲を受け止め、もうほとんどサンジの意識は飛んでいる。
今は後ろから受け入れているゾロの熱い杭が、サンジの奥深いところまで届いてただ喘ぐ事しか出来なかった。


抵抗を止めたサンジは、ゾロに縄を解くように頼んだ。
訝しそうな雰囲気を醸し出したゾロに、サンジは諦めたように笑った。
「逃げれねぇんだ。・・・・・・そうだろうが!」
そう言って見えないゾロを威嚇するように声を荒げれば、
「・・・・・・精々今の内に吼えてやがれ。すぐに、善がることしかできなくしてやる。」
縄を刃物で切ったのだろう、ブツッと言う音がして手の拘束が解かれた。
そして、サンジがその自由になった両手で敷布を掴んだと同時にゾロが覆いかぶさってきた。
目隠しのせいで視界から得る情報は無い。
ただ、ゾロの手と舌と唇がサンジの肌を啄ばみ、舐り、噛み付くのを触覚と痛覚で知る。
首筋を辿るゾロの指を追って舌が這い回る。
胸の尖りを指で捏ねられているかと思うと、反対の手はサンジの足の付け根の辺りを撫で摩る。
初めて与えられる性的な刺激に耐え切れず、サンジは横を向いて歯を食い縛りながら耐えた。
が、ゾロの唇が先程つけたサンジの太刀傷を辿って下腹部に降り突然サンジの棹を咥えたとき、サンジの腰が跳ね た。
「ああんっ!あっ・・・・・・はっ・・・・・・あんんっ!!」
「いい声で啼けるじゃねぇか。その調子で頼むぜ。」
「んんっ、んう・・・・・・ふあっ・・・・・・・。」
ゾロの手がサンジの袋を揉みしだき裏筋をグリグリ扱きながら、ゾロの舌がサンジの棹を舐め上げていく。
トロッと溢れ出る液体が自分の雄からの雫と気付き、こんなことで快感を得ている自分が情けなく、目隠しの布を涙 で濡らす。
そんなサンジを見てか、ゾロがヘヘッと厭味な笑い声を上げて言う。
「イイだろ?我慢すんな。こんないやらしい身体してんだなぁ、てめぇは。こっちはもっといいんじゃねぇか?」
ゾロの指がサンジのその汁を掬い取り、サンジの後ろの窄まりに当てる。
「?!!」
ニュッと入ってきたゾロの指に、痛みと違和感を感じてサンジの身体が硬直する。
ゾロはそんなサンジの反応には構うことなく、グッと指を1本第2関節辺りまで入れてきた。
「へぇ、中熱ぃな。このまま、ぶち込みたい気分だぜ。」
くにくにと入り口を広げるように動く、ゾロの卑猥な指の動き。
何をされているかを正確に理解して、次の行動を思い頭が真っ白になっていく。
(犯される・・・・・・マジで!!)
恐怖心から無意識に閉じようとする脚を、その間に居るゾロの身体が阻む。
「抵抗すんのか?」
笑いを含んだ声でそう言いながら、ゾロは差し込んでいた指を根元まで一気に突っ込む。
滑りを帯びていたそれは内壁を傷付けることはなかったが、強烈な異物感と初めて与えられた衝撃に呻く。
目を閉じてその状態に耐えるサンジに、ゾロは更に追い討ちを掛ける。

「この脚、ちっと邪魔だな。てめぇ、膝裏持って抱え上げろ。」
「なっ?!!」
「しっかり開けよ。ケツの孔、きちっとオレに見せろ。」

言われた言葉の内容に愕然とする。
余りの恥辱に、無自覚の快感で火照っていた顔色がサァッと青褪める。
そこまでしなくてはいけないのかと、悔しくて・・・情けなくて・・・。
それでもサンジはのろのろと脚を上げ、両膝裏に手を伸ばした。
それを見つめているゾロの顔が楽しげに笑っているのが容易に想像できて、顔が強張りながらも。
持ち上げた両脚を左右に可能な限り開く。
その間もゾロの指は抜かれることなく動かされていたため、自分の行動により当たる場所が変わる。
「・・・・・・ん・・・・・・・ん、んあっ、あああぁっ!!」
「あぁ、ここか。てめぇで動いて当てるなんざ、てめぇも相当好きモンだな。」
「あ、ああぁっ、あんっ、んうっ。」
腰が勝手に動いてしまうのを止めることが出来ない。
そうしている間にも、ゾロが1本また1本と挿れる指を増やしていく。
その指が4本に増えた頃には、サンジはもう何も考えられずに身を捩るだけだった。
そして、きゅぽんと音を立ててゾロの指が抜かれたサンジの孔は、ヒクヒクと物欲しげに蠢いた。
そこにゾロが先走りに濡れた自身を当てる。
「へぇ、欲しそうに動いてんぜ、てめぇのココ。」
「ん・・・・・・んふ・・・・・・。」
「待ってろ。今、挿れてやる。」
熱いゾロの杭が圧倒的な質量で以ってゆっくりゆっくり入ってくる。
ゾロの腰がサンジの尻に当たり、根元まで入ったのだとわかった。
「んんーっ、んっ・・・・・・んあ・・・ああっ!」
「中、吸い付くみたいに絡み付いてんな。スゲェな、てめぇ。実は慣れてんのか?」
「んあ、ん・・・・・・あ、ああぁ・・・。」
脚を支える自分の腕に力が入らず、思わず手が離れる。
その手をゾロが自分の掌で褥に縫い付けた。
そして、腰を動かし始める。
始めゆっくり、徐々にその速度を速めて。
「マジでいいな、てめぇ。他のヤツにもヤらせてやろうかと思ったが、気が変わったぜ。」
そう言ってゾロがサンジの棹を握り、自分の腰と同じ速度で扱き始める。
サンジは、もう本能のまま声を上げてイった。
その後も、ゾロはサンジを犯し続けた。
何度も何度も・・・・・・サンジが気を失うまで。


連れて来られたのは昼頃だったろうか、今は窓の外から沈み行く夕日が見えた。
目を覚ましたサンジが、周りを見渡すとそこにゾロの姿はなかった。
ただ、性交をした後とは思えない自分の身体の状態に気付く。
清められ、褥も自分とゾロの精液に塗れた惨憺たるものではない。
(どういうことだ・・・・・・夢、か?)
一瞬そう思って身体を起こそうとして、やはり現実なのだと思い知ることになる。
腰と後孔の鈍い痛み。
無かったとは思えない。
やはりゾロは自分を犯したのだ・・・・・・呈のいい玩具として。
これからもこんな日々が続くのだと思うとぞっとする。
抵抗も出来ない、逃げることも叶わない。
ただ、自分を弄り続けるゾロの暴言と愚行を受け続けるのだ。。
どんどん落ちていく、自分と言う存在。
それでも、とサンジは思う。
それでも自分は生きていかなくてはならないのだ。
生きて、生きて、生きて・・・・・・いつか自国に帰り、自分の帰りを待つ国民と部下達のために。
唇をギュッと噛み締めながら、サンジは真っ赤に染まる夕焼けを睨み付けていた。




それからというもの、サンジはゾロに犯され続けた。
昼夜を問わず、ゾロの身体が空けばいつでも。
3度の食事以外は、ほとんどゾロを受け入れているか、その後気を失ったように眠っているかのどちらかで。
食欲など全く湧かなかったが、食べなければ生きていけない。
抵抗するのかと詰られ、部下の生命の危険も考えられる。
サンジは吐きそうになるのを必死に堪え、無心に与えられた食べ物を詰め込んだ。
寝て、起きて、食べて、犯されて、そしてまた寝て。
そんな毎日をサンジは必死に耐えて過ごした。
最初の1週間は自分の現状を認められず、ただゾロの為すがままだった。
その次の1週間はゾロから与えられる快楽に翻弄され、何も考えられなかった。
サンジがゾロの行動の意味を少しでも考えられるようになって来たのは、1ヶ月以上も経ってからだった。
今もまた、サンジは気だるい身体を褥に横たえて先ほどまで自分をいいように扱ったゾロのことを考えていた。


ゾロとて一国の主だ。
他国との使者との謁見、自国内での会議、片付けなければならない書類など、責務は山のようにある筈なのに。
ゾロは、朝サンジが起きたと知るや、必ずやってきてサンジを犯す。
目隠しをして、サンジの目を見えないようにして。
サンジの自尊心を逆撫でする酷い言葉を投げ掛け、サンジが気を失うまでサンジを貫いて。
そして、事後のゾロを見たことが無い。
いつも起きた時にはゾロの姿はなく、身体は必ず清められている。
それは、何故か?
ただの玩具ならば、放っておくのが自然だろうと思うのに。
起きるといつも、それを考える。
(それに・・・・・・昨日のあれは何なんだ?)
サンジは昨夜のゾロの様子を探るように思い描いた。


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