11時近い駅前通りを2人で歩く。 土曜日のもうすぐ翌日になろうという時間帯だ。 オフィス街のせいだろう、歩いているのはゾロとサンジの2人だけ。 ゾロがサンジの少し前を歩く。 サンジの手をギュッと握り締めて。 その手が少し汗ばんでいるのを感じて、サンジは胸が熱くなる。 真冬の夜空の下、冷たい風の吹く中、ゾロが汗を掻くとしたならそれは・・・・・・。 今からの自分たちの事を考えているせいだろう。 キスして、抱き締めてくれて、名前を呼んでくれて。 もうこのままここで抱いてもらってもいいやと、そう思ったサンジではあったが。 「片付けて、サンジのマンションで。」 と言うゾロの言葉に従った。 黙々と閉店準備をし、それぞれの仕事を終えてエプロンを外したところで目が合って。 物凄く情欲をそそられる獣染みた視線を感じて。 照れ臭くて、恥ずかしくて、それでも嬉しくて。 「行くぞ。」 と差し出された手に、自分の手を乗せて。 店のシャッターを下ろす時も、鍵を閉める時も、その手は離されずに。 そのまま、サンジのマンションへと向かったのだ。 部屋の鍵を開けて、ドアを開き、2人で中に入って。 ドアが自動的に閉まるのも待てずに、ゾロが繋いでいた手を引き、サンジを抱き寄せた。 「・・・・・・ゾロ・・・・・・鍵・・・。」 「わかってる。」 その声が、切羽詰っているゾロの心情を伝えてきて。 サンジはゾロの腕の中に収まったまま、後ろ手に鍵を掛ける。 そして、その腕をゾロの背中に廻すと、ゾロのサンジを抱き締める手に更に力が篭る。 「サンジ・・・・・・サンジ・・・・・・。」 「ゾロ・・・上がって。風呂・・・。」 「いい、後で。すぐ抱きてぇ。」 そう言うや否や、ゾロがサンジにキスを仕掛けてきた。 気持ちに余裕が無いのが感じ取れるような、荒々しいキスで。 それでも、そんなゾロだからこそサンジは愛しくて仕様が無い。 そのキスに応えて、サンジも舌を絡めていく。 どうしようもなく感じてしまう、その激しいキスにサンジの脚はガクガクと震えて立っていられない。 唇を離された時、ゾロが支えてくれていなければ尻餅をついていたところだった。 「はっ・・・・・・オレ・・・脚、立たねぇ。」 閉じていた瞼を開けてゾロを見れば、ゾロがゴクッと唾を飲み込んでサンジの後頭部を片手で掴み、ギュッと掻き抱いてきた。 「・・・・・・・・・ゾロ?」 「ヤベェって・・・・・・サンジ。」 「???何、が?」 「あんたのその顔・・・・・・すっげぇクる。」 何言ってんだ。 てめぇのいつもと違うその声の方が、自分の名を呼ぶ声の方が・・・・・・。 どれだけ自分を煽ってると思ってんだ! サンジはそう思いながら、ゾロの背中にしがみ付く。 ゾロは力の抜けたサンジを横抱きに抱え、サンジに靴を脱がさせて自分も靴を脱いだ。 そして、上がって寝室のドアを開けて、ベッドにゆっくりとサンジを座らせる。 2人してコートを脱ぎ、サンジの横へゾロが座る。 サンジがゾロの顔を見れば、今までに見たこともないような真剣で情熱的な目で自分を見てくれていた。 嬉しくて、フッとサンジが笑うと、ゾロがそれ以上に嬉しそうに笑って。 サンジの肩に手を回し、サンジの頬に手を乗せてサンジの顔を自分の方に向けて。 優しいキスを。 唇を啄ばまれながら、ゆっくりと後に倒されて。 サンジはゾロの首にしがみ付いて、その動きに逆らわなかった。 ゾロが上に乗るような形で、サンジを見下ろしてくる。 少し躊躇しているかのようなゾロの表情に、サンジが顔を曇らせる。 「どうした?・・・・・・やっぱ、抱けねぇか?」 「違う!・・・・・・ただ、これ以上進んだらもう止めらんねぇ。」 「・・・・・・バカだな。止めなくていいんだ。てか、止めんなよ。」 サンジの言葉に、ゾロが口元を綻ばせて。 そんなゾロの首に、サンジが腕を回して抱き寄せて。 貪るようにキスを。 「サンジっ・・・オレ・・・多分あんま持たねぇ。」 ゾロが腰をサンジの大腿に押し付けてきて。 当たるゾロのそれが、もう結構キテることに気付いて。 サンジはゾロの耳元で囁いてやる。 「そんなん、オレもだ。てめぇに名前呼ばれただけでこの有様だ。」 ゾロの手を自身の股間に導いて、触らせてやる。 ゾロが一瞬ビクッと手を震わせて、そしてゆっくりと撫でてくる。 「・・・・・・サンジ。」 「・・・んあっ・・・ゾロっ。」 もう下着の中ではちきれそうになっているそれを刺激されて、サンジの背が撓る。 ゾロが慌しく双方のボトムのホックを外し、ジッパーを下ろして中からそれを取り出す。 片手で2人分のペニスを握り込み、我慢できないのか初めから凄いピッチで扱き始める。 「あああっ、ゾロ・・・い、きなり・・・・・・あんっ・・・・。」 「サンジっ・・・エロすぎだっ・・・・・・1回イくぞ。」 「ううんっ・・・・・・・ふあっ・・・ああああっ!!!」 「・・・・・・くっ・・・。」 服を殆ど脱がない状況で、ゾロにしがみ付くしか出来ない状態で。 ゾロの自分を見つめる欲情を露にした顔つきが、サンジを更に煽って。 イった瞬間、ゾロの身体がビクッと震えるのを肩にしがみ付いた両手で感じて。 顎まで飛び散った自分とゾロの精液が、余りに可笑しくて。 笑いながら、ゾロと舌を絡めあった。 「・・・ん、あっ・・・はぁん・・・・・・そこっ・・・や、め・・・。」 「・・・・・・ココ、いいのか?」 ゾロがサンジの腰を片手で抱き締めて、脚の付け根を手で優しく撫でながら脇腹を舌で嘗め回す。 もうサンジの陰茎はタラタラと汁を零し、ゾロの愛撫で時折ピクッと震えている。 一度イった後、布団に潜り込んで、お互いに服を脱がし合い、身に何一つ纏わない状態で抱き合った。 真冬の、幾ら室内とはいえ暖房もつけていないこの部屋で。 ゾロの体温に包まれるだけで、サンジの身体は火が点いたように熱くなった。 名前を呼んでもらえて。 全てを曝け出して。 抱き締めてもらえて。 優しくも胸を焦がすような視線をくれて。 ゾロが触れる場所、ゾロが口付けた場所、全て火傷したかのように熱くなって。 サンジは声を殺すことなく、ゾロに伝えた。 どこがヨくて、どこが感じやすくて、どこが触って欲しいのか。 ゾロの全てを見せて欲しいから。 サンジの痴態に煽られて、ゾロの愛撫が激しくなっていく。 サンジの陰茎を咥え、腰を浮かすサンジの身体を押さえつけながら、サンジの後孔を探る。 「はああっ・・・・・・ああん・・・んあっ!ゾロっ・・・・・・ゾロっ!!」 「何だ?」 「はっ・・・て、めぇの・・・ん・・・早く、寄越せっ・・・・。」 「?!!クソッ、知らねぇぞっ!!」 キュポッと指が引き抜かれる音がして。 熱くて硬いものが後孔に押し当てられて。 (クる・・・・・・・・・!!) サンジがギュッと目を瞑った時、唇にふわりと暖かい物が触れた。 (え・・・・・・?) 何だろうと目を開けて見えたのは、ゾロの心配そうな顔。 それが、すぐ傍にあって。 「ホントに、いいのか?」 そう聞く声は、ゾロ自身ギリギリだろうに最後の最後で踏み止まって、自分を気遣う優しいゾロの声で。 サンジはシーツを握り締めていた両手をゾロに向かって伸ばす。 「あぁ、遠慮すんな。オレの全部、てめぇのモンだ。てめぇも全部寄越しやがれ!」 「サンジ・・・・・・!!」 「ああっ・・・ああああっ!!」 ゾロの砲身が一気に入ってきて。 キツイまでもサンジの中を満たすそれは、サンジに少しの痛みと満タンの幸せを与えてくれて。 「好きだっ、サンジ!」 言葉でも胸が詰りそうな幸せを与えてくれて。 サンジは嬉しくて嬉しくて、ポロッと涙を零しながら愛しいゾロの名前を何度も呼び続けた。 それから、幾度吐精しても互いの熱は冷めることなく。 結局、月曜日の朝までその殆どを2人はベッドで過ごした。 *** そしてまた、週明けの月曜日。 ランチタイムが終わってサンジが一息付いていると、シャンクスとエースがやってきた。 2人ともサンジの顔を見るなり、ニヤニヤと意味深な笑みを浮かべる。 「サンちゃん、何かいいことあった?」 「そうそう、それにお肌のツヤもいいんじゃねぇ?」 そうからかわれて、サンジはボッと頬を赤らめる。 んなことねぇと言いながら、コーヒーカップを取ろうといつものように腕を伸ばして。 「痛っ!」 思わず腰を抑えてしまって、ハッと2人を見れば、堪え切れずに大爆笑するシャンクスとエースの姿。 みるみるうちに、サンジの顔が更に真っ赤に染まる。 そんなサンジにシャンクスはカウンターをバンバン叩いて笑い転げ、エースは椅子から転げ落ちて腹を抱えてヒーヒー言っている。 「だぁ〜〜〜っ!!笑うんじゃねぇ〜〜〜〜っ!!!」 サンジがカウンターの外へ飛び出て、シャンクスとエースに掴み掛かる。 「サンちゃん、可愛いなぁ!」 「相当激しかったんだねぇ。」 胸倉を掴まれたシャンクスがサンジの肩をポンポンと叩き、エースはサンジの両脚に抱き付いてまだ笑っている。 ギャーギャーと3人で騒いでいたら、バンッと乱暴にドアが開けられ、ドアベルが悲鳴を上げる。 動きを止めて振り向いた3人が見たのは―――― 凄い顔で睨み付ける、ゾロの仁王立ちする姿。 「………ゾロ、てめぇガッコは?」 サンジの問い掛けには答えず、ゾロがドアを後ろ手で閉める。 そして、呆気にとられている3人のところへ駆け寄ってきて、サンジの腰を掴んでシャンクスとエースから引き剥がし、サンジを後ろ から抱き締めて言い放った。 「サンジはオレんだっ!!気安く触んじゃねぇっ!!!」 店内に一瞬の静寂が訪れ―――― 更なる大爆笑に包まれた。 シャンクスとエースは涙目でゾロとサンジを指差してギャハハハハと大声で笑い。 サンジもゾロの腕の中でクックックと口を抑えて笑う。 「…………何笑ってんすか?」 1人ゾロだけ仏頂面だ。 「ゾロ、てめぇ変わり過ぎ。」 そう言ってサンジはそんなゾロをニッコリ笑いながら振り返る。 サンジの笑顔で少し機嫌が治ったのか、ゾロの眉間の皺が取れた。 そんなゾロの首に手を回し、サンジがゾロの耳元に口を寄せる。 フゥッと息を吹きかけて囁く。 「でも、てめぇが妬いてくれて嬉しいぜ。」 「………サンジ。」 全く他人の前で名を呼ばなかったゾロが。 感情を表に出さず、サンジが何をしてても気にも留めなかったゾロが。 サンジはもう嬉しさを隠すことなく、ゾロに抱き付いて笑った。 ゾロはまだイマイチ状況が理解出来ていないらしく、首を傾げながらもサンジを抱き締めて言った。 「………キス、しても……?」 「!……YES、Darling。」 言われた言葉に驚いたものの、サンジはふんわり笑んで目を閉じる。 ゾロの唇が優しく触れて、サンジが少し首を傾ければ、舌を差し入れてくる。 積極的で嫉妬深くて感情を抑えないゾロ。 (全然、悪くねぇ。) 熱烈なディープキスを続ける2人の背後で、「サンちゃん、コーヒーまだぁ?」と急かすシャンクス達に、もう少しだけとサンジは軽くウ ィンクした。 マスターの色気が増したこと。 月曜日は少し体調が悪いこと。 マスターのお相手が実は悋気が激しいこと。 熱烈なラブシーンが見られること。 それが常連客の間で噂になったのは、間もなくのこと。 |
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END
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HMの設定でお初エッチvゾロが独占欲丸出しになるまでvv
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