Apocalypse
013



薄い包み紙に巻かれて行儀良く並んだ固形レーションよりも少し小さな焼き菓子が、の手で半分に折られて差し出される。それを受け取った時、フォルセはもう話し始めていた。昔よくお土産として貰っていたお菓子は、見た目も味も懐かしい。取り出す時にほんの少し、角が毀れて細かい屑が落ちる所も変わっていなかった。

「……一体いつ、どこに現れるのか」

フォルセが教えてくれた異常事態は、私達が黒鉄の丘で感じた可笑しさを倍増させる。これまでに無かった事が同時に起こり、それに続けて更に可笑しな事態が発生したという事実。そしてフォルセは、それがまた起こるかもしれないと考えていた。

「どこに行けば良い?見付けたら倒しても良いんだよな?」

の言葉は、フォルセの望んでいた答えそのものだったんだと思う。フォルセの返事は沈黙の楽園でツクヨミと遭遇すれば倒して良い≠ニいう意味で、それを受けたは、どこかつまらなそうに言いながらソファから立ったんだけれど――。

「やっぱヘリだと早いな」

何故あんな事を言ったのか、自分でもよく判らない。ただ何となく、ここに現れたら一番被害が大きくなるんじゃないかな?と思っただけ。元々ツクヨミが一番頻繁に出没するフィールドだからと言って、は直ぐに賛成してくれた。フォルセは気になるのなら行っておいで≠ニ、笑って見送ってくれた。

「うん。あっと言う間」

残虐の会堂へ行くには、二つの手段がある。装甲車で忘却の聖堂へ向かい、地下にあるそこを目指す。殆どの場合その方法が選ばれるのは、現地の状況を把握出来るからという理由。今回私達が選んだのは、滅多に選ばれるの事の無いもう一つの方法。

「20分が限度だ!!遅れるんじゃねえぞ?!」

大声で怒鳴るムスハに手を挙げて答えた後、剣形態の神機を片手で構えて飛び降りた。忘却の聖堂を通らず直接入るこの方法は、着地した途端にアラガミと鼻を突き合わせる可能性があるという理由で誰からも敬遠されている。だから床に足が付くより先に、両手で神機を振り被るように構え直した。

初めて来た時からあまり変わらない広い空間を素早く見渡せば、状況は直ぐに把握出来たんだけれど。

何も無い。

在るには在るけれど、それは崩れた壁や天井の一部が隅の方で小さな山を作っているだけで、その後ろに隠れるのは小型のアラガミでも難しいだろう。念の為と上に続く暗い通路に足を進めれば、その途中で聞こえて来たのは戦っているらしい物音。

ここまで来てそれらしい気配すら無いのなら、この先を曲がるのは無駄でしかない。聖堂への扉に辿り着く直前で、見えないかもしれないと思いながら首を横に振る。その直後戻るぞ≠ニいう息に乗っただけの微かな声に続いて、また地下を目指した。

「取り敢えず連絡してみるか」

「――うん」

もしかしたら、他の場所に現れているかのもしれない。真っ先に考えたその不安は、杞憂に終わった。スピーカーから聞こえるカインの声はいつも通り冷静で、全てのチームから異状無しという連絡があったという。監視センターでも2体のツクヨミは感知されていないらしい。

「じゃあ」

「行くか」

天井に空いた大きな穴の真下へ行き、ホバリング中のヘリに向かって大きく手を振れば、暫くして縄梯子が落ちて来た。安定感皆無のそれを登り切って向かった先は、沈黙の楽園。だけど、それも完全な無駄足に終わった。釈然としないままマーシュへ戻った私達を待っていたのは、かなり落ち着いたエントランスの様子と、夜更けの呼び出し。

「単なる偶然だと思うが、暫くは気を付けてくれ」

久し振りに大勢が揃ったフォルセの研究室で、少し厳しい表情をしたユーリが告げた。強硬派の一人である研究者が、今回の騒動を揶揄していたらしい。それだけなら単なる偶然で済ませ、こんな風に不安を煽ったりはしないだろう。だけど、その男はアラガミを操る方法を研究している。

アラガミのコアを使って作られている神機は、言わば人によって作られたアラガミのような物。偏食因子を投与された人間がそれを制御し、アラガミを倒す。それを応用すれば、人がアラガミを操れるのではないか?という研究を不可能≠ニ断定は出来ない。フォルセはそう言い、それが今回の措置を取る理由だとユーリは言っていた。

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「おはようございます、チャンドラさん」

「今アサインされてるヤツ見せてくれ」

若い……つっても俺達とそう変わらない年の女が、手元のキーを叩く。カウンターに設置されてるモニタが出撃可能な任務と待機してるヤツらの名前で埋め尽くされて、それをが覗き込んだ。

「うーん――と?」

フォルセ達は、2体のツクヨミは消えたんじゃなく別の場所に移動したんじゃないかって考えてた。多分、今も。それに反論するヤツは居ないし、逆にそうだって断言するヤツも居ない。だからあの時、あんな事言ったんだろうな。

どんな任務でも単独で出撃するな。兵装と携行品は万全にしておけ。いつまた現れるか判らない状態だ、常にフルメンバーが揃えられる状態を保て。そう言われてから、もう一ヵ月以上経つ。前ほど簡単に出撃出来なくなったのは、常にフルメンバーが揃えられる状態を保つってのがネックになってるからだ。

最低でも特殊班のヤツが一人と、それ以外に三人はマーシュに居なきゃいけない。いつも同じヤツが残ってるワケにも行かないし、適当に休みも入れなきゃダメ。それを八人で遣り繰りしろってんだから。前は一日に三、四回出撃してたのに、今じゃ一日に二回出れりゃ良いって感じだ。

「これで良い?」

ランクAで風哭きの平野。討伐対象はウロヴォロスってトコを指差してるにそうだな≠チて返して、共有ノルンから腕輪を使ってターミナルに接続する。

新種って言われてた頃は厄介なアラガミだったウロヴォロスも、調査と討伐を繰り返された今じゃデカさ以外は普通の強いアラガミでしかない。戦略指導部の人間や研究者たちはウロヴォロスの生態とかが知りたいらしいけど、俺達は戦うのに必要な情報だけで充分だ。

どんな攻撃が効くのか、どんな兵装で行くのが良いかなんて決まってる。ナイフと猿甲、トスカに神属性の貫通バレットと汎用バレット。いつもならそれを選ぶし、と出撃する俺にとっては一番戦い易い。けど今は……念の為、ってヤツだな。

「行ける?」

「もうチョイ」

クロノサイズとヘラクレス、EXガトリングに神属性の貫通バレットと汎用バレット。ついでに雷属性の破砕バレットと汎用バレットをチェックして、認証キーを照合させれば準備完了。ここんトコ滅多に使わない増強系の補助薬まで入ってるポーチやポケットは、携行品で一杯だ。

ハンドル片手に40分弱。は偶に飛ばし過ぎ≠ニか言うけど、ぶつかるような物が転がってるワケでもない。前時代は道だったのか何なのか判んないトコを走って、セイフティゾーンに車を止める。

目の前に広がってるのは、荒れ果てた丘陵地帯だ。昔は牛や羊、馬とか山羊も居たとか他にも何だったか……忘れちまった。とにかく色んな動物なんかを放し飼いにしてたデカい牧場は、今じゃ色んなアラガミがのさばる無法地帯でしかない。

「準備出来たかー?」

「勿論」

「んじゃ、頭と心臓は意地でも喰われるなよ?」

「了解。それ以外なら絶対助けるからね」

いつもみたいに飛び降りて、視界に異常が無いのを確認してから動き出す。下手に後ろを取っても攻撃し難くなるし、アイツの視界は広過ぎる。見付けたら確実にダメージを与えらる瞬間を見計らいながら、ムカつくぐらい範囲の広い攻撃を確実に防ぐ。見た目ほど頑丈じゃない巨体は、10分もした頃には地面に這い蹲ってた。

「――出ないなぁ、翁晶」

一個出てくれれば改良出来るのに全然捕喰出来ないし、報酬でも全然出て来ないし。が珍しくブツブツ愚痴ってるのは、今装備してるブラストの威力を限界まで底上げしたいからだ。一週間ぐらい前に言い出して、それから一日一回はウロヴォロスを倒してる。けど……。

「はぁ。こんなのばっかり」

今回も出なかったらしい。割れた複眼からズルリと抜き出されたのは、翁骨が二つに翁爪が一つ。こっちで出たらやるって約束してんだけど、俺の方は翁骨と翁爪と鋼鎧が一つずつだ。この時点で、次の任務もウロヴォロスだって事は決まったようなモンだ。まあ特に欲しい素材があるワケでもないし、俺にとっちゃ大した問題じゃないけど。

「まあ、その内出るって。報酬で手に入るかもしれないし」

溜息吐いてるの肩を叩いて車まで戻ったら、雲の流れが妙に早いって気付いた。遠くほど黒くなってる雲は先行きの怪しさを暗示してるみたいで、何となく嫌な気分になるんだよな。

「こりゃ嵐になるな。次の任務、今日行けるかどうか怪しいぞ」

「やだなぁ、雨だと視界も足場も悪くな…って?!」

「どーした?何か……ぁあ?」

助手席の窓に腕をかけて空を見ていた俺は、それに気付いてなかった。車を止めてエンジンを切ったは、あっと言う間に外へ出る。俺が車を降りた時には勢い良くドアの開く音がして、後部座席から神機を引っ張り出してた。何秒か遅れた俺は、車の前でマーシュの方を睨んでるの横に立つ。

「判った。じゃあ、片付けてから帰投する」

『はい。では、お気を付けて!』

雑音と一緒に切れた通信の代わりに、が喋り出す。今んトコ、オペセンには通常連絡以外何も入ってないらしい。ノタノタ歩いて来るオウガ種の群れを睨みながら言うには迂回するより殲滅した方が良い≠ニか。携行品には余裕があるし、まあ妥当だよな。

「で、どうする?」

「足音が多いの。はここで頭を一発ずつ撃ってて」

「りょーかい。ヤバそうなら退けよ?、……良し。左端から行く!」

バレットを雷属性に切り替えた後アンプルを飲んで、判った≠チて走り出したの左前方へ一発ぶち込んだ。こっちに気付いて速度を上げたオウガに正面からバスターが振り下ろされた瞬間には、4体右のヤツまで脳天を打ち抜いてた。黒オウガを横薙ぎに二回払ったが次のオウガに神機を突き刺して、コンボ捕喰してる隙にまたアンプルを呷る。

「新作バレットの威力、存分に味わえよー?」

戦闘中に底をついたオラクルを補うなら剣形態で攻撃するのが普通だけど、今は任務終了後の帰投中だ。携行品がカラになろうが何の問題も無い。だから――撃てるだけ撃ったらポーチを探って、立て続けにアンプルを飲んでたんだ。

!ヴァジュラテイルも居る!!」

の叫び声に舌打ちして、オラクル切れ起こすまで連射してから走り出す。その後は、もう乱戦だ。左から右、前から奥、斬撃を繰り出しながら縦横無尽に跳び回る。オラクルを吸収したらフォームチェンジしながら距離取って、手当たり次第に頭をぶち抜いたらロングに切り替えて突っ込む。その繰り返しだ。

「ヒュ〜!ははは、すげーな

一足先に神機を担いだ俺は、コンボ捕喰で神機に取り込んでたらしい素材を確かめて、のぶっ放した放射バレットを正面からまともに喰らった最後のオウガが倒れてくのを見ながら笑った。

が作ったバレットでしょ?」

確かにの使うバレットは全部俺が作ったヤツだけど、クラッシャーは自分じゃ実際使わないからな。弱いヤツならともかく、まさか一発で倒せるとは思ってなかったから驚いた。

「だってコイツら、ランクAだぜ?」

「――?あ、ホント。荒神骨がある」

「だろ?それを一発で…って、オペセンか」

「何が――」

携帯端末の緊急音声通信は、こっちが応答しなくても勝手に繋がる。つまり、大抵は厄介な連絡が一方的に届くってワケだ。

雑魚とはいえ、こっちは数えるのが面倒なぐらいの群れを殲滅したばっかだってのに。その辺に転がってるオウガ種が次から次へと消えて行く中で、そんな事を考えてた。

『罪悪の市街で小型アラガミの群れによる襲撃が発生!シユウと交戦中だった第八部隊レヌク他新人三名が撤退不能!!救援に向かえる近隣のゴッドイーターは直ちに連絡を!!』

顔を見合わせた俺達は、半分まで聞いた辺りで車に飛び乗った。まだ消え切らないオウガ種を轢き散らかしながらアクセルをベタ踏みして、限界まで速度を上げる。けど、ここは罪悪の市街からマーシュを挟んだ正反対の位置だ。いつもの倍以上で飛ばしたって、間に合うかどうか……。

「小型アラガミの数が増えて新人は四散。忘却の聖堂からアレク達が向かってるから、こっちはそのまま北上してくれって。詳しい位置は、」

「りょーかい。んじゃ、このまま飛ばす!」

よりにもよってバラけたのかよ!腹ん中で毒づいて、砂埃を巻き上げながらのナビに従って30分以上。止まれって言われた場所は、罪悪の市街から東に逸れた旧市街地の外れだった。

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「ここから2時の方角って――」

「マジかよ……あんなトコに入ったってのか?」

装甲車を降りた二人は、それぞれ得手の形態に変化させた神機を携え、その方角を見詰めていた。オペレーションセンターから与えられた指示は、レヌクという新人ゴッドイーターの救出と小型アラガミの殲滅。先程の乱戦を思えば、小型アラガミの殲滅はそれ程難しいものではないだろう。しかし、同時にそこに居るであろう新人を救出するとなると――と、よく似た顔を揃って顰める。

「さて、どうする?」

旧時代には隆盛を極めていたであろう大型小売店舗を見上げたはいつものように尋ねるが、それに対しての返答は無い。彼女は常日頃とは異なる場所での任務に対し即座に最良の策を導き出す事が出来ず、思考を巡らせていたのだ。

三階層の巨大な建物の中に、崩れた壁や天井など戦闘の障害になる物が多くあるだろう事は、誰に聞かずとも容易に想像出来る。しかもここには監視センターの機器が設置されておらず、アラガミの位置を特定する事すら不可能。その上オペレーションセンターから送られて来たビーコン反応では、レヌクがどの階層に居るのかまでは特定出来ない。そんな状況で、どう動くのが得策なのか。

「散開はしない。取り敢えずビーコン反応を目指そう」

先程まで一定の場所で向きだけを変えていた黄色のマークが忙しなく動き始めたのを目にし、は決断した。複数の小型アラガミが徘徊しているであろう建物の中で二手に分かれ、恐らく疲弊している筈のレヌクを助け出すのは難しいだろうと。

「了解。んじゃ、行くか」

走り出した二人はガラスの破片が散乱する煉瓦敷きの通路を突っ切り、枠だけになった大きな自動ドアを抜けた所で足を止めた。辺りは暗く光源も無いが、崩れた建物の隙間から射し込む外からの光を頼りに周囲を見回す。の耳も、の目も、異変を感じ取る事は無く、互いに向けられた顔が頷いた。

物音を立てず、ビーコンを頼りに進んだ先。人影らしき物を捉えたは目を凝らしたが、肩に乗せられた手の感触に首を傾げ振り返る。

「荷電性テイルが居る。マネキンの奥、2mぐらい先だ」

の言葉に頷き、は聴覚を研ぎ澄ませて一歩一歩ゆっくり前へと進んで行く。数mを進んだ時、二人の足音以外に人とは違う鈍重な足音が一つ。それを確認した途端、神機を銃形態へと変化させたは静かに速度を上げ、一気に奥を目指した。

「えっ?!」

「はあ?!」

数秒後。足元に転がった荷電性ヴァジュラテイルに二人は驚きを抑えられず、声を漏らした。尤も、それは多分に呆れを含んでいたのだが。

それは帰投中に出くわした個体と違い、の放った一発の放射バレットで呆気無く地に伏した。先程の群れと同程度の個体が居るのだろうと思い込んでいた二人は、拍子抜けしてしまったというわけだ。

「手分けして回り込むか?」

幾分気の抜けた感で告げられたの言葉には数瞬迷ったが、首を横に振って上の階層へ向かうと決めた。力量の判らぬ新人を連れ、数の知れぬアラガミと交戦する可能性が高い。ならば戦力を分散させるのは避けた方が良いと判断した上で。

「急ごう」

弱い個体ならば、労せず倒す事が出来るのだ。少しでも早くレヌクを保護する事を目的とし、二人は走った。段差が高く幅の狭いエスカレーターではなく、緊急時を想定して作られた段差が低く幅の広い階段を選ぶという冷静さを失う事なく。

「ったく。鬼ごっこかよ」

一つ上の階層にもレヌクは居らず、更に上を目指す。数分前から動きを止めている黄色のマークを時折り確認しつつ、不意に現れたオウガ種を倒し、辿り着いたその場所に人の姿は無い。

「――地下への階段は無かったよね?」

「ああ。少なくとも見える範囲には無かった。こりゃ屋上だな」

二人は再び階段へ向かい、段を飛ばして駆け上がった。目の前に拡がるのは、寒々とした灰色の光景。円筒型の貯水タンクが鎮座するこの一角を回り込めば、レヌクが救援を待ち侘びているだろう。――と、携帯端末のモニタから目を離そうとした瞬間。

「あれ?」

「何だコイツ、いきなり……っ?!」

突如として離れて行くそのマークを追い、回り込んだその先。二人の視界に飛び込んだのは一つの逃げる背中と、その左右から迫る二つの蒼い痩躯。は咄嗟に駆け出し、その後ろで僅かに腰を落としたが連射する。が、その刹那。


曇天の背景に上げられた二つ。

断末魔の叫びは短く、血飛沫は高く。



鼓膜を抉り、網膜を焼き、神経を伝達し、記憶に刻まれる。



コンクリートには二つが落ちた。

レヌクの命、その神機。


首から吹き出す血に塗れ、喰らい付かれた衝撃に折れ、その身体は血の溜まりへと倒れ伏す。それに釣られた神機は持ち主の手を離れ、転がり落ち、無機質だが大きな音を立てた。

飛距離が足りず霧散したバレットは音も無く、は神機を持ったまま。神機使いの脚力を以ってしても足りぬ距離に、は腕を下ろしたまま。立ち尽くしたのは数瞬の事。

「――、カインに連絡して」

「何て?」

「増援を二人、ヘリで直接寄越すように」

「了解」

の元まで戻ったはポーチを探り、次々と数種類の補助薬を口へと運んで行く。あれらとの交戦を思い描き、可能な限り己の能力を引き出す為に。そしては、携帯端末に向かって手短に状況説明と増援要請を伝えた。

「頼むぜ?こっちはギリギリまで様子を見る」

『判った。くれぐれも無茶はするなよ』

次第に強くなる風の中。まるで何事も無かったかのようにして、二つの蒼い身体が音も無く漂う。足元の薄汚れた灰色を侵食する鮮血と色濃くなる嵐の気配に、その禍々しさを際立たせて。



     

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この時点での穏健派
本部長ユリウス 本部技術開発部統括フォルセ
特殊班:ロッソ・ナランハ・アズール
元特殊班現討伐班:シュヴァルツ・
討伐班:アレクセイ・ジューザ
オペレーター:カイン 整備士:ヴォイド・アルザック・ジョエル 医師:テュス





橘朋美







FileNo.013 2013/6/10