建設業関係業務


1.建設業の許可

 建設業を営もうとする者は、公共事業・民間事業を問わず、元請人・下請人を問わず、請負として建設工事を施工するものは個人であっても法人であっても、建設業法第3条に基づき、許可を受けなけれぱならない。
 ただし、1件の建設工事の請負代金の金額が500万円に満たない建設工事や、建築一式工事の場合でも1件の工事請負代金の額が1,500万円に満たない工事又は、延べ面積が150平方ノートルに満たない木造住宅建築工事(軽微な建設工事という。)を請け負って営業する者は、建設業法第3条但し書きにより、必ずしも許可を受けなくてもよいこととされている。

2.大臣許可と知事許可

○大臣許可

二つ以上の都道府県の区域に営業所を置く場合は、大臣許可となるので、その主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して国土交通大臣宛申請手続をすることとなる。

○知事許可

一つの都道府県の区域内にのみ営業所を置く場合は、二つ以上の営業所を設ける場合であっても知事許可となる。
許可を受けた建設会社・個人は、営業所の所在地に関わりなく日本全国どこでも建設工事を行うことができます。即ち、例えば東京都知事から許可を受けた建設会社の場合も、日本中どこでも、その営業所における契約に基づき建設工事を行うことができます。

3.一般建設業と特定建設業

 建設業の許可は、その許可を受けようとする業種(28業種)ごとに一般建設業か、特定建設業かのいずれかの許可をうけなけれぱならないこととされている。

○一般建設業

 一般建設業者は、建設工事の発注者から直接請負った1件の建設工事につき3,000万円以上(建築工事については4,500万円以上)の下請契約を締結して工事を施工することはできない。
 したがって、建設工事の発注者から直接請負う請負金額については、一般建設業者であっても、特定建設業者であっても、等しく制限はなく、一般建設業者であっても、建設工車をすべて直接施工するか、あるいは1件の建設工事について3,000万円未満(建築工事にあっては4,500万円未満)の工事を下請施工させる限り、受注金額に制限はない。
 なお、一つの業種について、一般建設業と特定建設業の両方の許可を受けることはできないので留意すること。
○特定建設業
 下請人保護のための許可制度として、特定建設業の許可が設けられたもので一般建設業よりも許可条件が加重されている。
 特定建設業の許可を受けた者は、建設工事の最初の注文者(発注者)から直接請け負った1件の工事について、下請代金の額が3,000万円以上(建築工事については4,500万円以上)の下請契約を締結して下請人に施工させることができることとなる。


4.変更等の届出
(1)事実の発生したときから30日以内に届出なけれぱならないもの。

 商号又は名称を変更したとき。
 既存の営業所の名称、所在地又は業種を変更したとき。
 資本金額(又は出資総額)又は役員の氏名に変更があったとき。
 個人の事業主、又は支配人の氏名に変更があったとき。
 経営業務管理責任者に変更があったとき。
 経営業務管理責任者が氏名を変更したとき。
 専任の技術者に変更があったとき。
 専任の技術者が氏名を変更したとき。
 営業所を変更したとき。
 営業所を新設したとき。
 新たに営業所の代表になった者があるとき。
 経営業務の管理責任者又は専任の技術者の要件を欠いたとき。
(2)毎営業年度終了後3〜4カ月以内に届出なけれぱならないもの。
 毎営業年度(決算期)を経過したとき(工事経歴書、直前3年の各営業年度における工事施工金額の他、「法人の場合」は、貸借対照表,損益計算書、完成工事原価報告書、利益処分又は損失処理、営業報告書(株式会社のみ)。
 納税証明書(大臣許可は所得税、知事許可は事業税)。
 使用人に変更があったとき。
 令3条に規定する使用人(支配人又は営業所の代表者)の一覧表に変更があったとき。
 主任技術者一覧表に記載した技術者に変更があったとき。
 定款に変更があったとき。


5.経営事項審査制度(経営状況分析申請・経営事項審査申請)について

 昭和25年以来、建設業者の信用、技術、施工能力等を総合的に評価する制度として採用され定着している。
 公共工事発注機関が定期的に行う工事入札参加資格者の順位又は格付けの審査は、客観的事項の審査結果と主観的事項との審査結果を総合して行われ、建設業の許可を受けた者が、公共工事の入札に参加を希望する場合には、この客観的事項の審査(経営事項審査)を受けなければならない.経営事項の審査は、次の3点について行われる。
イ.経営規模の認定(完成工事高・自己資本・職員数)
ロ.経営状況の分析(財務状態)
ハ.その他の評価項目(技術職員数・営業年度)
(1)経営状況分析申請・経営事項審査申請するには、まず都道府県の指定経営状況分析機関(
財団法人建設業情報管理センター)に対し、期日までに経営状況の分析申請書(財務状態)を提出しなけれぱならない。
(2)経営事項審査申請経営状況分析機関から申請書を受理した旨の通知表を添えて、都道府県知事に対し、経営事項審査申請書を指定期日まで(又は指定期日)に提出することとなる。


6.入札参加資格審査申請
 官庁、公社、公団、地方公共団体が発注する建設工事の受注を希望する建設業者は、それぞれの発注機関が定める要領に従って、指定期日までに(又は指定期日に)それぞれの機関に申請しなければならない。
 ほとんどの宮公署は2年問有効としている。官公署に入札参加資格審査申請をする者は経営事項審査を受けている建設業者に限られている。