5.もて耐4時間 決勝前日練習走行
07.08.17

         



いよいよもて耐がやってきました。うちらは4時間の決勝なので土曜日の18日が決勝でした。
その前日の17日は車検と練習走行です。

17日の1本目の練習走行は弟がまず乗ります。予選で唯一全開走行が出来たのが、弟一人なので、
その時と比較してもらうために弟に決まりました。







相変わらずの白煙を吐きながらピットロードを出て行きます。いつも僕らの後ろは白煙で真っ白になるので、
他のライダーは後ろにはなかなかつきませんww

ピットアウトし走行していきます

「大丈夫かな〜〜?」

と思いながら待っていると、なんとかホームストレートまで帰ってきました。






元のエンジンはモトクロッサーで高回転は回らないので、ギヤを早めにつないで行きます。
「大丈夫そうだな〜〜」とみんなで目を合わせてストップウォッチを手に持ちます。
他のチームの仕上がりも良さそうでストレートをものすごいスピードで駆け抜けて行きます。
すると最終コーナーで1台転倒!!ゼッケンは89番!あっ!後方排気だ!!
転倒したゴルゴさんはかなり痛そうにコースのふちに逃げていきました。痛そう〜大丈夫かな〜?
NSR500Vはどうかな〜??と思いながら待っていると、
弟はピットに戻ってきました。戻ってくるなり

「全然走らん!!!振動もものすごい!! 全然曲がらない!! 乗るのが恐いくらいだわ!」

「え!?……。」

みんなであちこちと単車の様子を見てみます。
「あっ!!プラグが緩んでる!!」
「あっ!!チャンバーが割れてる!!」
「あっ!!RCバルブが外れてる!!」

ボロボロでした。振動か〜〜〜・・・。

想像以上に振動は色々な物を壊していきました。





プラグはワイヤーロックをするか!!(こんな場所にワイヤーロックは普通しませんwwww)
しかし、プラグを締めようとしても締まりません。抜けかかった場所で振動していたので、
ネジ山も舐めていたようでした。
「しまった!!このタップは置いて来ちゃったな〜〜」
という事で古いプラグをタップ代わりにするという事で、サンダーで削りながらゆっくり締めていきます。
簡単にはいかず何度も何度もサンダーで削りながらやっとプラグが入る様になりました。

チャンバーは本番前に割れてて溶接をしたところでした。全く同じ場所です。
ここにすごい力がかかってるんだな〜…。
溶接機はあるけれど、0.8mmの鉄板なのですぐに穴が開いてしまうので、
アルミ板を曲げて巻きつけて、ホースバンドで固定、ワイヤリングもしました。

RCバルブは左エンジンの方が壊れました。バルブのシャフト部分が折れています。
どうしようもないのでバルブを全開の位置で固定します。


これらの作業をしている間に1回目の練習走行は終了し、2本目3本目も終わっていました。
4本目にはなんとか間に合い、カウルを付けてタンクを付けてエンジンをかけてみます。
すると何故か1気筒しか爆発していません。
「あれ??」
基本的なところを見てもおかしいところはありません。しかし何度エンジンをかけても1気筒です。
プラグの火を見ると火が飛んでない!!!
それからまたカウルを外しタンクも外します。
配線を見直しても大丈夫です。
CDIか!?コイルか!?
生きている1気筒の配線を死んでいる方に繋ぐと火は飛びます。
色々試しても原因がわかりません。
弟がピックアップを見ようとカバーを外してみます。よく見るとピックアップがフライホイールから5mmくらい離れてます。
触ってみると簡単に動いてしまう。
「なんでだ!?」
よく見るとピックアップを固定しているプレートが割れていました。これも振動で割れていたのです。
割れた上からでかいワッシャーをかまし、ケースに穴を開けてピックアップが離れないようにボルトをあてます。
これでエンジンをかけてみると

「ブァィィ〜〜〜!!」

2気筒爆発しています。
「良かった〜〜」
とりあえず原因がわかって対応できました。

これで大丈夫だ!!

全ての作業が終わってカウルを付ける時にメカの一人があるものを見つけました。
それは致命的なものでした。

右エンジンと左エンジンを溶接している部分にクラックが入っていました。しかも1周ぐるっと…。
広い所は1mmくらい離れています。
「・・・・。」
言葉が出ませんでした。

でもエンジンはかかります。クラックはクランク室には影響はありませんが、このクラックが走行中にどうなるか…。
右と左が完全にバラバラになってしまうかこのままもってくれるか…。
いずれにしても4時間という時間はとてもじゃないけど耐えれそうにありません。


「行ける所まで行こう!!」
みんな意見は同じでした。

再びカウルを付けてタンクを付けたのはもう夕方で、全ての日程が終わっていました。

ピットクルーのみんなはこの間にキャンプの準備と買い出しをしてくれていました。
もういつでもビールを飲む準備が出来ていてそれからみんなでビールでワイワイやります。
トラブルはあってもビールの時間は最高に楽しいですね〜^^

さてさてそんなわけで、決勝の前日にすでにボロボロになったNSR500V。果たして何周走れるのか!?

                                                                                                                                            Reporto By Nobu
                                                          画像は河辺さん & VTR & デジカメ