コックが最近したがらねぇ。 いや、SEXはいいんだ。 誘えば断らねぇし、シてる時も嫌々って感じはしねぇ。 オレの名前を呼んで喘ぎやがるから、誰かの代わりにされてるワケでもねぇようだ。 オレを好きかと聞けば、こっ恥ずかしいこと聞くんじゃねぇと顔を真っ赤にして睨んでくるから、嫌われたワケでもねぇ。 正直、さっぱりわからねぇんだ。 *** 島に着いたのが、期せずしてコックの誕生日前日。 クルー公認の仲であるオレたちに遠慮(ナミの場合、有料だが)して、その日の内にどんちゃん騒ぎして。 当日船に残ったのは、オレとコックの2人だけだ。 「おい。」 ラウンジで1人洗い物を手際よく片付けるコックに、後ろから抱き付いてみる。 抵抗は無ぇ。 咥えタバコで、機嫌良さそうに鼻歌交じりで皿を洗う腕が一瞬止まったものの、ニヤッと笑って作業を続けるコック。 「何だ、昼間っから。ヤりてぇのか?」 「・・・・・・まぁな。それもある。」 「ヘッ。それしかねぇのかと思ったぜ。てめぇのエロい頭の中はよ。」 厭味っぽく笑って言いながら振り向くその顔は、妙に艶っぽくって。 全くその気はなかったとは言わないが、それが目的ではなかったのに。 思わず、コックのシャツのボタンを外して手を滑り込ませる。 擽ったそうに肩を竦めながら、サンジが笑う。 「まぁ、待て。あとちょっとだからよ。」 「待てねぇな。」 「・・・ったく、仕様が無ぇマリモ頭だな。手くらい洗わせろ。」 皿を置いて、手をざっと洗って、オレの腕の中でコックが振り向く。 誘うように、咥えたタバコをシンク脇の灰皿に押し付けて、妖艶に微笑むコックの唇を奪おうとした刹那。 「キスはダメだぞ。」 また、だ。 そう、コックは最近キスを嫌がるのだ。 オレがコックと、まあ所謂そういう関係になったのはこの間のオレの誕生日だ。 散々騒いだ後、女どもは部屋で飲み直すと席を外し、年少組は甲板でダウンしていた。 こんな絶好の機会はないと、1人後片付けするコックに言ったのだ。 惚れてる、と。 それこそ持ってた皿を盛大に落っことして、シンクの中の食器が派手な音を立てたのは言うまでも無い。 でもそれ以上に、くるっと振り向いたコックの顔が真っ赤っ赤なことに吃驚して。 なんとなくピンと来て、その場で聞いてみた。 お前もオレが好きか、と。 口をパクパクさせて、言葉なんか出てこないみたいで。 ただ、オレを見るコックが可愛くて。 ニカッと笑ってもう一度言ってみた。 オレのこと好きだろ、と。 それでもボンと真っ赤になったまま動かないコックに、業を煮やして。 その細腰に手を廻し、グイッと自分の胸に引き寄せて。 ポカンと開いた唇を、オレのそれで塞いでやった。 唇と、口内と、歯列と、舌を十分に堪能して離してやれば、いつの間にかコックの手がオレのシャツをわし掴むようにしがみ付いてて。 少し湿り気を帯びた唇がヤケに扇情的で。 少し潤んだ瞳がヤケに妖艶で。 もう一度キスしようと、顔を近付けた刹那。 その瞬間、物凄い勢いでコックの脚が飛んできて。 寸での所で交わしたものの、さっきの可愛い顔はどこへやら、真っ赤な顔は怒っているようで。 ワケ分からないから問いかけた。 何怒ってんだ、と。 そこでやっと、コックが口を開いた。 「手順を踏むって事、勉強してきやがれっ!!!」 手順って・・・・・・初心な中学生、いや今時は小学生じゃあるまいし。 呆れたものの、そんなこと言ったらもう一発飛んでくるのは必至で。 その場は、キスできたことに満足してコックを宥める事に廻った。 で、手順だ。 悪いが、今までそんな質面倒臭い事したことぁねぇ。 大抵女の方から誘ってきて、足開くから突っ込んで終わりだ。 そもそも自分から告白したのだって初めてだっていうのに。 まずは1人で頑張ってみたが、敢え無く玉砕。 次は男連中では頼りになるウソップに協力要請したが、それも撃沈。 まぁ、回りくど過ぎてついていけなかっただけなのだが。 残すは女性陣だが・・・。 強欲魔女に頼む気にはなれず、ロビンに聞けば本を1冊渡された。 『女の子が喜ぶSEXへの道程』 ・・・ある意味、ナミより兵かも知れねぇ。 本に書いてあることは、正直まだるっこしくっていけねぇ。 が、しかし、あとちょっとでコックが手に入りそうなのだ。 とりあえず、一緒に居る時間を増やしてみた。 買出しだったり、仕込み中のあいつの傍で酒を飲んでみたり。 なるべく話をするようにもしてみた。 会話なんざ何話していいかわからないと思っていたのだが。 意外と饒舌なコック相手だと会話が続いたりした。 もどかしくて押し倒したくなる時もあったが。 機嫌良さそうに笑うコックに、こんなんでいいのかなと少し気を取り直して。 1週間で、手を繋ぐ事に成功した。 2週間で、肩を抱かせてもらった。 3週間で、腕の中に抱き締めた。 4週間で、ほっぺにキスがOKになった。 5週間で、漸く軽く唇にキスまで辿り着いた。 それで6週間目、折りしもクリスマスイブだった。 ロマンチストなコックの事、本にもあったがクリスマスイブが恋人同士に欠かせない行事って事も幸いした。 偶々着いた島に上陸して、2人で宿を取って。 漸く部屋で2人きりになれた時、流石にオレも限界だったのか、思いっきり抱き締めて思いっきり濃いキスをかましちまった。 ハッと我に返ってコックを見れば。 腰砕けで、潤んだ瞳で見つめられて。 これで我慢できたら、オレも相当枯れてなきゃなんねぇ。 理性の箍が完全に外れて、コックを押し倒しちまった。 *** 考えてみれば、あのクリスマス以来か。 コックの首筋に唇を寄せながら、オレは思い返していた。 「・・・・・・んっ・・・。」 甘い声を上げながらも、コックの顔は結構余裕で。 シャツのボタンをプツプツッと外して胸元に顔を埋めれば、オレの頭を抱えて笑っている。 可愛く尖っているその乳首を口に含んで、舌で転がしてやれば頭に添えられた手に力が籠もる。 舐めて、噛んで、そこをしつこく弄っていると、焦れたように腰が動く。 「・・・・・・ば、っか・・・んなとこ・・・・・・い、っから・・・。」 「あぁ?どこが弄って欲しいんだ?ん?」 「てめぇの・・・ここと、おんなじとこ・・・・・・。」 そう言って、膝をオレの息子に押し当ててきやがった。 なんでコイツはこんなに余裕なんだろう? そう、あの時、流石にキスから一気に最後まで雪崩れ込んだのはやばかったかと、翌朝起きた時頭を抱えた。 もしかしたら、呆れて手出し一切禁止、もっかい最初からとか言われるのかと冷や冷やした。 が、ベッドで悩んでいたオレに、もう少し早く起きていたのかシャワールームからバスローブ姿で出てきたコックが言ったのだ。 「ゾロ、キスはダメだ。」 「は?」 「SEXはいいけど、キスはダメだ。」 「・・・・・・・・・。」 手順はどこいった?と聞きたかったが。 何でかよくわからないが、SEXはいいっていうのは捨てられねぇ。 その場でコクコク頷いて手を差し出せば、その手を掴んで腕の中に滑り込んできたコック。 もう1戦朝からコックと交わったが、その時はもうこんな風に余裕の顔だったような・・・・・・。 その後、2週間くらいはコックの身体に夢中だったから、キスしないのもそんなに気にはならなかったが。 流石におかしいと気付いて、キスしようと何度も試みてはみたものの、コックにダメと言われれば惚れた弱み、無理にも出来ず。 それと、フェラとかコスプレとか体位とか色んな事で、コックから新しい事を仕掛けられたもんだから。 適当に誤魔化されて2ヶ月近く経っちまった。 「ゾロ・・・てめぇ・・・・・んっ・・・他ごと考・・・・・えて・・・オレ、の咥え・・・・・・んなっ!!」 「あ?悪ぃ悪ぃ。待ってろ、すぐヨくしてやる。」 口に含んだコックの棹をグチュグチュと音を立て、手で棹の根元を掴んで一気に扱き上げてやる。 「んんんんんっ!・・・あ、あはああああ・・・・ゾロっ・・・やあっ・・・・・・。」 コックがオレの髪をわし掴んで、堪らないように腰を動かす。 口の中に苦い汁が吐き出されて、コックがイったのを知った。 それをゴクッとコックの目の前で飲み干してやって、その顔を見てハッとする。 そうだ、この顔だ。 この顔だぞ、おい。 最初ん時とクリスマスイブん時だ、間違いねぇ! はぁはぁと荒い息を吐いて怪訝そうにオレを見るコックの顔を、両手で挟みこんで。 その口を塞いで、深く深く口付ける。 コックは目を見開いて、最初は抵抗しようと両手足使ってオレに色々してきたが。 徐々に力がなくなっていって。 終いにはうっとりという言葉がピッタリくるような顔で目を瞑り、オレの首に手を廻してきた。 ゆっくりと唇を外して、ニヤッと笑って言ってやる。 「コック、てめぇ、キスされっとダメなんだろ?」 「う?!!」 「キスされっと余計に感じるんだろ?」 「・・・・・・・・・。」 「オレのキス、そんなにイイか?」 「・・・・・・クソッ!」 口だけは毒吐いているものの、身体には力が入らないようで。 ダメ押しとばかりにもう一度、コックの少し濡れた唇に思いっきり吸い付いてやる。 角度を変え、深く潜り込ませた舌でコックの舌を絡め取る。 一生懸命応えようとするコックの舌を、歯で軽く扱いてやって、口内を舐め回して。 その間、ぴくぴくと動くコックの身体を全身で感じながら確信する。 そんなにキスに弱いとはな・・・・・・楽しいヤツめ! プハッと大きく息をして、コックが弱々しいながらも睨み付けてくる。 「好きなんだろ?オレのキスがよ。」 「・・・・・・好きだけどよ・・・。」 「けど?何だ?」 「・・・・・・・・・・・・しいっていうか・・・。」 「ああ?」 ぼそぼそ口の中で話すから、聞き取れずに聞き返すと潤んだ瞳してこう叫んだ。 「悔しいだろが!!てめぇのキス1つで落ちちまうなんてよ!!」 「?!!」 目を丸くして、そしてそれこそ破顔一笑。 くっくっくと笑うオレに、力の抜けた足でゲシゲシ蹴るコックの身体をこれでもかと抱き締めてやる。 「落ちちまえ。オレなんざとっくにてめぇに骨抜きなんだ。オレの居るとこまで落ちてきやがれってんだ。この、カッコつけコック。」 「ばっ・・・!アホか、てめぇは。絶対ぇてめぇよりキス旨くなって、てめぇに突っ込んでやる。」 「・・・・・・キス旨くなんのは歓迎だが、その後は聞けねぇな。」 そう言って、力の入らないコックの足をカパッと開いて、少し色づいた孔に舌を這わす。 「んんぅ・・・あ・・・・・・。」 「てめぇの中、入れなきゃオレはイけねぇぞ。絶対ぇ、却下だ。」 膝裏を持って、コックの腹に押し付け、じゅるじゅると皺に唾液を擦りつけるように舐めて。 一度イったコックの息子にだんだんと芯が入ってくるのを確認して、ニッとほくそえむ。 喘ぎ声も、態度も、さっきとはうって変わってそれこそ妖艶と言う言葉がピッタリ来るようなコックの姿態。 軟らかくなったそこにいきなり2本指を突っ込んで、ぐりぐりと入り口を広げるように廻しながら身体を伸ばして口付ける。 もう待ち切れないように身体をくねらせながら、コックはオレの舌を招き入れる。 エロくて湿った音が、上と下から聞こえてきて、コックの目が切なげに揺らめく。 「・・・・・・欲しいか?」 「・・・あぅ・・・あああん・・・・・・欲し、い・・・はやく・・・・ぅんんっ・・・。」 指を引き抜けばグチュッといやらしい音がして。 オレはガチガチに猛った己の息子を、コックの孔に当てる。 ゆっくりとそこに押し込みながら、同じタイミングで唇を重ねていく。 耐え切れないのか、コックがオレの頭を抱えて深く唇を重ねると同時に、腰を揺らしてオレを受け入れていく。 「んんん・・・・・・んぅっ・・・うううん・・・・・・。」 オレの足にコックの双丘があたって、全てがコックの内壁に包まれる。 きゅうきゅうと締め付けてくるコックの中。 最初のSEXの時に感じたえもいわれぬ満足感。 「・・・・・・コック、いいだろ?」 「あんんっ・・・イイ・・・・・・や・・・ああっ・・・ヨす、ぎ・・・ゾロぉ・・・もっ・・・。」 「へっ・・・いいぜ。くれてやる。」 ガツガツとそれこそ限界間近のコックを追い上げるように、一気にラストスパートだ。 責める事に夢中になっていると、コックが薄く口を開けて誘う。 もうオレのキスに骨抜きだな。 「誕生日、おめでとよ。愛してるぜ、サンジ。」 耳元で囁いて、深く唇を合わせてやったら、それだけでコックはイった。 だが、コックは自分がイったことにも気付かず、喘ぎ続ける。 射精した筈のコックの息子も、直ぐに臨戦態勢だ。 もう一度口付け直して、オレがイくために腰を使い、コックの息子を扱く。 一回イったコックにはきつかったのか、その目から涙が零れ落ちる。 口端からは嚥下しきれない2人の唾液が溢れる。 堪らなくエロいその姿に、オレも限界が来たようだ。 コックの中に欲望の全てを叩き込む。 瞬時遅れてコックもイったようだ。 互いの腹の間をしとどに濡らして、コックは意識を飛ばした。 夕方目覚めたコックを問い詰めれば、最初のキスでこれはヤバイと思ったコック。 なんとか時間を稼いで、オレのキスに対抗しようと好きなタバコを抑えて練習したとの事。 練習材料は、なんと氷だと言う。 「冷たさで舌が痺れるからよ、疑似体験できるし・・・。」 そう言うコックに、また嬉しくなってキスを1つ。 クルーの前ではすんなよと怒鳴られても、それは完全に無視だ。 キス1つでオレに酔うなら安いもんだ。 オレなんぞ、毎日お前の顔が傍にあるだけでメロメロなのに。 誕生日の時くらい、てめぇも溺れてみろ。 そう言ってやったら、真っ赤な顔して可愛いキスを1つくれた。 これが4ヶ月間の練習の成果だとしたら、まず100年はオレんとこまで辿り着けねぇだろうがな。 これ以降、キスはダメと言わなくなったコック。 だが、TPOを弁えろと口を酸っぱくして言われた。 とは言うものの、それをキスの後のとろんとした顔で言われても・・・。 正直我慢できる自信はねぇぞ、このエロコック。 END |
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ゾロとのキスを感じすぎちゃうサンジv
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