時代劇に御招待v  6





―――勢いで来ちまったけど・・・・・・すっげぇ緊張する!

風呂桶に張られたちょうどいい湯加減の中にどっぷり浸かりながら、サンジは恥ずかしさのあまり顔まで中に入れてしまった。




大学まで迎えに来てくれたゾロに、もう物凄く感動感激大好きになってしまって。
そのまま、ゾロと一緒に撮影所に行ったら・・・。

たしぎに滅茶苦茶怒られた。
撮影の最中に衣装着たまま抜け出すなど、冗談じゃないってワケで。

でも、サンジの顔を見てなんかホッとしたような顔をして。
それから、ペコリと頭を下げられてしまった。
しかも、「ごめんなさい。」と謝られてしまった。
ずっと気にしていたのだと涙ながらに言われた時には慌てまくってワケわからないことを口にしたような気がする。
「ゾロがオレのこと好きになってくれたから、いいんだ。」とか。

今思い出しても恥ずかしい。

で、その後、撮影終了までその場で待つようにゾロに言われたのだ。
「てめぇはほっとくと余計なこと考えすぎる。ずっとオレの傍にいろ!」
命令口調で、滅茶苦茶豪そうに。
ムッとしたが、サンジを心配してくれているのとまた居なくなるんじゃないかと心配しているのが伝わってきて。
とりあえず、おうと返事をして。

撮影終了後、2人でタクシーに乗り込んで。
ゾロのアパート(元サンジのアパートの隣)に到着して。




で、現状に至るわけだ。
ゾロは先に風呂に入って、リビング兼ダイニングでビールを飲みながらテレビを見ているはずだ。
サンジの荷物はウソップのとこなので、着替えも何も持っていないが。
ゾロがサンジには少し大きめのスウェットを貸してくれた。
だが・・・・・・。


―――やっぱ、気持ち確認し合って、相手の部屋っつったらアレしかないでしょ!

そう、アレ。
SEX・交合・夜の営み・メイクラブetc。

前の時は、それこそこれで終わりだと思って、切なくて。
恥ずかしいとかそんな感情、どっか行っちゃってて。
ただ、ゾロと抱き合うのが嬉しかった。

それが、今回は・・・・・・。

―――ピカピカに洗わなきゃダメかな?

準備段階があって、しかもはい準備OKと出て行かなくちゃならなくて・・・。
サンジとしては非常にこっ恥ずかしい状況なのだ。

それでも、風呂に入って来いってゾロが言ったし。
そんなに欲情丸出しの顔じゃなかったし。

―――と、とにかく寝る前の身嗜みとしてだなぁ・・・。

なんとか心を落ち着けて、ザバッと風呂桶から出る。
脱衣場へ出て、身体を拭く。
テレビから聞こえてくる、何か深夜のお笑い番組が聞こえてきて。
少し気分を持ち直しながら、風呂場を後にするサンジが居た。




「お、出たか?」
「・・・・・・お、おう。」
髪の毛を乱暴に拭いながら、サンジがゾロの横に少し離れて座る。
ゾロが、サンジに缶ビールを差し出して「飲むか?」と聞いて。
頷いて、それをサンジが受け取ると、立ち上がってテレビの方へ歩き出す。
そして、一枚のDVDが入ったケースをサンジに見せた。
「・・・・・・何?」
「てめぇ、見たか?年末特番。」
「いや、見てねぇ。・・・てか、それ、そうか?」
「おう、シャンクスがくれた。見るか?ディレクターズカット版だ。」
「見る見る、見てぇ!絶対見てぇ!」
サンジが興奮気味にそう言うと、ゾロがそれをプレーヤーに入れる。
そして、リモコンを手にサンジの隣に座った。

先程よりも少し距離を詰めて。

だが、DVDに意識が集中しているサンジはそんなゾロの行動に気づかない。
「早く再生してくれよ。」
「あぁ。」
PLAYボタンをピッと押して、テレビには必殺始末人のテーマ曲が流れ始めた。




真剣にテレビを食い入るように見つめるサンジ。
ゾロがその隣でごそごそしているのには全く気づいていない様子で。

ドラマは今、橋の上でゾロとおさんが襲われるシーンだ。
「この時のてめぇ、めっちゃカッコよかったよなぁ。」
「・・・・・・そうか?」
真後ろで、しかも耳元で囁かれた声に驚いて振り向けば、ゾロが座るサンジを後ろから抱き抱えるようにしていて。
気が付けば腕なんか、しっかり腰に回されちゃって。
ドキドキしながら、サンジはゾロを見る。

「てめぇがここで少し泣くだろ。・・・多分こん時だ。」
「・・・な、何が?」

「オレがてめぇに惚れたの。」

そう言ってゾロがサンジの顎を掴んでゆっくりキスをする。
うわぁ〜っと思いながら目を閉じれば、顎を掴んでいた手が離れて。
顔を抱えるように後頭部を持たれて、舌を口の中にねじ込まれる。
ゾロと心の中で名前を呼ぶのと同時に、画面のおさんがゾロの名を呼ぶ。

場面が変わっても、深いキスは続いた。




スウェットの裾から手を入れられて、敏感な尖りを親指と人差し指で挟まれて、転がされて。
ゾロの熱い湿った舌で、首筋や耳を舐められて。

サンジは迫りくる快感に悶える。
どこかに掴まりたいが掴むことのできないサンジの両手が自分のスウェットのズボンを握り締める。

「ん?脱ぎたいか?」
ゾロはそう言って、サンジの股間にもう一方の手を伸ばす。
「あっ・・・何・・・・・・言って・・・ああん・・・。」
「勃ってんじゃねぇか。もう邪魔だろ?」
「馬鹿っ!・・・てめっ・・・・・・あ、あ、やあっ・・・。」

今テレビでは、ゾロとクロコダイルの接見シーンだ。
結構薄暗い場所での撮影だったようで。
その画面の暗いところで、自分とゾロが乳繰り合ってるのが映ってしまう。
「ああっ・・・ゾロっ・・・・・・。」
「いいじゃねぇか。脱いじまえ。」
そう言うなり、片手でサンジの腰を抱え上げ、サンジのズボンを尻の下まで下ろしてしまう。
ピンク色の勃ち上がったサンジの性器が、煌々と明るい電気の下に晒される。

「あっ・・・・・・や、やだっ・・・ゾロ・・・。」
「この後のてめぇの背中見る度に、てめぇ抱きたくて仕方なかった。我慢の限界だ。覚悟決めてオレに抱かれろ。」
「・・・・・・んんんんっ・・・ああっ、それっ!」
直接性器を撫でられて、サンジがそのゾロの手を掴む。
だが、力は入らずに、ゾロの動きにただついていくだけで。

たらたらと先走りを零すサンジのそれを見て、ゾロがサンジの耳元に囁く。
「あん時も、そのまま雪崩れ込んじまいたかった。皆の目がなかったら、あの場で犯してた。」
「阿・・・呆かって・・・・・・ああああっ・・・。」
「ほら、てめぇの背中、映ってるぜ。」
そう言われて、快感のあまりに潤んだ目で画面を見れば、サンジの背中のアップだ。
白くて細くて、それでも男の背中。
こんなのにゾロは欲情してたのかと思うと堪らない。
後ろのゾロの首にしがみ付いて、顔をゾロに向けてキスを強請るように少し口を開けば。
待ち兼ねたように、ゾロがサンジの唇に吸い付いてくる。
性器を刺激されて、耳を弄られながら、舌を甘噛みされて。
流石に耐え切れず、サンジはゾロの口の中で嬌声を飲み込まれながら白濁を吐き出した。

ハァハァと荒い息をして、ゾロを見れば。
画面でサンジを組み敷くゾロの優しい顔とは少し違って。

サンジが欲しくて欲しくて仕方ないといった、そんな肉食獣が獲物を前にした視線で。

それを見て、ゾクゾクッと背中を何か熱いものが走って。

だから、サンジは後ろのゾロに向き直って言った。

「抱いてくれよ。てめぇの気の済むまで。」
「・・・・・・サンジ?」
「・・・・・・んで、オレが満足するまで。」
「先刻承知!」

前からギュッとゾロに抱き締められて。
もう、ドラマなんか見てられなくて。
一生懸命、シャンクスたちが殺陣シーンなんかテレビでやってる時に、尻を弄られて。
泣き叫ぶサンジの声に、啼き喘ぐサンジの声が重なって。

ドラマ終了後のEDテーマが流れて、録画されてた内容も全て終わり、画面が真っ青になっても。

ゾロの砲身を身に突き立てられて。
何度目かの精を受け止め、何度目かの精を吐き出して。
まだまだ足りないと求めてくるゾロに、自分も足りないともっとしてくれと強請って。
抱き合い、キスし合い、相手の身体を貪り尽くして。

サンジがその快感の中で気を失うまで、ゾロに抱かれ続けた。




***




朝陽が顔に当たって、サンジは目をぱちりと開ける。

テレビは、点けっ放しで青いまま。
横を見れば、満足そうに自分を抱き締めて眠るゾロが居て。
2人して毛布に包まって、その中はマッパのままで。
時計を見れば、あと少しで6時ちょうど。
まだ少し時間があるからと、サンジはゾロの胸に頭を寄せる。


こうして一緒に居ていいんだ、と。
こうしてゾロと過ごしていいんだ、と。


幸せな実感を、噛み締めながら。




END


DVD見ながらのエロv




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