そのままの君でいて




「生まれ変わったら、今度は見てくれとかこんななよっちくなくて、ガッチリした男になりてぇな。」

夕食の片付けを終えて、一息付こうとコーヒー片手にテーブルに着き、酒をかっ食らう剣豪の前にサンジはチョコンと座って言った。
珍しく、今日は他のクルーが早々にラウンジを引き上げ、各自好きな事をやっていて。
今、この場にはゾロとサンジの2人だけ。
一応、非公認とはいえGM号内ホモカップルの2人。
人前では喧嘩ばかりだが、こうして2人きりになればくだらない話をし合える気さくな仲なのだ。

「・・・・・・あ?」
眉間に皺を寄せて、ゾロが飲んでいた酒瓶をテーブルにドンと置いて、サンジを見る。
「だからよ、オレ、痩せてるし、なまっ白いし。こう、身体つきがよ、貧相だろうが。だから、今度生まれ変わったらてめぇみたいな体 格が
いいなって。」
普段は言わない褒め言葉なんか口にして、サンジはゾロの険しい顔をにこやかにしたかったのだが・・・。
急にゾロが立ち上がり、飲みかけの酒瓶を持ってラウンジの扉へ向かう。
「おいおい、どこ行くんだよ?」
「外で飲む。」
そう一言残して、ゾロは扉を開けて出て行ってしまった。

眉間の皺をそのままにして。

「何なんだよ?何、怒ってんだ?」
ワケもわからず、一人ごちて飲んだコーヒーはやたらと苦くて。
サンジは溜め息を付いて、それを飲み干した。




翌日、男部屋で目を覚ませば、ゾロのハンモックは空っぽで。
昨日あのまま外で寝たのかと考えながら、早朝の甲板へと身を乗り出す。
多分あそこだろうと後甲板へと足を向ければ、案の定ラウンジの壁に凭れてグーグー寝る腐れマリモを発見した。

(寝てても仏頂面かよ!)

眉間の皺はまだ取れてない。

そんなに変な事を言っただろうか?
何が気に喰わなかったんだろうか?

全く検討の付かないサンジは、寝こける剣豪の前にしゃがみ込む。
ジーッとその顔を見て、フーッと溜め息をまた1つ。
食事の支度をしようと立ち上がったその時、

「何、人の顔見て溜め息付いてんだ?」

表情は変えないまま、ゾロが目を覚ます。
サンジは、ちょっとビックリしたもののもう一度しゃがみ込んで、ゾロと目線を合わせる。
サンジがニコッと笑いかけても、ゾロはそのまま仏頂面で。
「おはよう。」と挨拶しても、「おう。」と不機嫌丸出しで。
流石のサンジもブチッとキレた。


「てめぇ、昨日の晩から何なんだよ?!オレ、何か変な事言ったか?お前、怒らせるような事言ったかよ!!」
「・・・・・・・・・言った。」
「じゃあ、何だよ?言わなきゃわかんねぇっていつもいつもいつも言ってんじゃねぇか!てめぇは、言葉が足り無さ過ぎんだよ!!」
ゾロはムッとしながら、ちょっと考えて。
そしてサンジの顔を見て言った。
「・・・・・・・・・生まれ変わったらガッチリした身体つきがいいって。」
「は?」

そりゃ言った、確かに言った、間違いない。
でも、そんなことで何でゾロが怒らなきゃなんねぇ?

きっと顔中に?マークが見えたのだろう。
だ・か・ら!とゾロがサンジの肩を抱き寄せて言う。
「何で変わんなきゃなんねぇんだ?今のまんまのてめぇでいいじゃねぇか。」
「???そりゃ、今のまんまでも十分男前だが・・・。何でお前が怒るんだよ?」
「・・・・・・・・・だからよ!」
ゾロがサンジの頬を両手で挟んで、デコとデコを付き合わせて言った。

「お前はオレが選んだ男だぞ!お前はオレに選ばれなくてもいいのかよ?」


ゾロはそう言いながら、サンジの唇にキスを落として言う。
「この唇も。」

頬を撫でで言う。
「この顔も。」

首筋を舐め上げて言う。
「この項も。」

シャツのボタンを外して言う。
「この身体も。」

ボトムのジッパーを下ろして言う。
「このてめぇの息子も。」

脚を大きく広げて、後孔を舐めて言う。
「この孔も。」

猛ったペニスをその孔に入れて言う。
「この中も。」


「オレぁ全部気に入ってんだ。どこも変える必要なんてねぇだろ?!」


朝っぱらから、甲板で、殆ど服を身に着けない状態にされて、ゾロにいいように扱われて。
まだ、食事の支度も全然手を付けてないのに。
いつ、他のクルーが起きてくるか判らないのに。

でも、サンジは何かとってもとっても嬉しかったりした。
すっごい幸せで、ゾロにしがみ付いちゃったりした。
自分からキスしちゃったりした。

こんなにこんなに愛してくれてんだなぁと感じたから。




散々啼かされた後、スリスリと頭を摺り寄せてくるマリモにサンジも言ってやった。

「てめぇも変わんなよ。今のままのてめぇが結構気に入ってんだからよ。」




END


「生まれ変わったら変えたいとこがある」サンジと、「変わって欲しくない」ゾロv


2万打、本当に本当にありがとうございましたvv




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