視線




―――またか。


ゾロは振り回していた串団子を置いて、フウッと息を吐いた。
朝食後、珍しく目が冴えていたので鍛錬をしようと後ろ甲板へ赴いたのは30分位前か。
しばらくしてそれに気付き、手を止める。
こんなに気になるようになったのは、最近だろうか。
今も身体中に纏わり付くそれが、ゾロにとって煩わしい物なのかと言えば、そうではない。
それよりも寧ろ、身体の一部分をやけに刺激してくれる。
集中して鍛錬を続けるどころではないのだ。


それは、ラウンジの窓から寄せられる・・・・・・サンジの視線。
いつも自分に向けられるふてぶてしい、敵意丸出しの視線ではない。
小馬鹿にするようなものでもない。

妙に熱くて艶っぽい、ゾロの雄を誘う視線。




その視線に気付いたのは、アラバスタへ向かう道中だったか。
どこかで野宿をした時だったと思う。
「なぁ、お前ってアレ、興味無ぇの?」
ゾロに話し掛けて来たのは、船長の兄エース。
皆で焚き火を囲んで夕食をとった後、片付けをするコックとそれを手伝うチョッパーは場を外していた時だった。
言っている意味がわからず、あぁ?と凄んでみせれば、え?と怪訝そうな顔をされる。
「アレだよ。・・・・・・もしかして、気付いてねぇのか?」
「だから、何だよ?さっぱり意味わかんねぇ。」
「アレだよ。意外と鈍感なのか、世界一の剣豪志望はよ。」
「・・・・・・喧嘩売ってんのか?」
「いいか、ゆっくりと左後ろ。さり気なくだぞ。」
「・・・・・・?」
疑問符を顔にいっぱい浮かべながらも、周囲の風景を見るように左後ろを振り返る。
そこには、片付け中のチョッパーとコックがいて。

そのコックと・・・・・・目が、合った。

一瞬にして視線は外されたが、その視線にゾロは眩暈がした。
だって、アレは・・・・・・アレはコックから自分に向けられるべき視線ではない。
・・・・・・ない、筈だ。

あんな、あんな、人を情欲へを追い落とすような視線は。


「わかった?」
「・・・・・・何だ、あれは?」
思わず口にしたゾロの疑問に、エースがクククッと笑う。
「なぁんだ。ホントに知らなかったんだ。意外だな。」
「オレは、殺気以外は無視するように努めてたから・・・。」


そう、ゾロとて旅に出始めた頃は自分に向けられる視線の意味がわからず、かなり苦労したのだ。
周りは全て敵!
そう思い込んで、娼婦の女に喧嘩を売ったこともある。
そこで知った。
視線にも色々あるのだ、と。
殺意、恐れ、賞賛、憧れ、そして情欲。
だから、それからは視線の意味を読もうと心がけた。
要らぬ喧嘩を買わずに済むし、意外と女にはモテルのかそう言う視線を無視することもできる。
殺意だけに、自分に向けられる殺気だけに精神を集中する。
だからこそ今、昼寝をしてても敵襲になれば瞬時に跳ね起きることの出来る身体になった。


そう話すと、エースはハハハと声を立てて笑う。
ゾロがムッとすると、まぁまぁとエースが肩を叩いてとりなす。
「でも、勿体無いよね。アレほかっとくなんてさ。」
「・・・・・・どういう意味だ?」
「あんな艶っぽい視線、見たことねぇぜ。オレなら即買いだな。」
「そういう趣味かよ。」
「ん〜〜〜、どうかな?相手にもよるんじゃねぇ?コックちゃんなら、イけそう。」
その場は、アホらしいと相手にもしなかったのだが・・・。




アラバスタでのバロックワークスとの死闘の中で忘れかけていた、それ。


ビビと別れ、新たなる冒険へと旅立っているGM号。
その中で、サンジが寄越す視線は相変わらずで。
食事時に、鍛錬中に、昼寝中に、見張り中に。
ゾロに寄せられる、サンジからのねっとりと絡みつくような視線。
しかも、目が合っても逸らすのはゾロの方だ。
サンジは、ゾロと目が合うと最初のようには逸らさずにじっとその視線のまま見詰めてくる。

時には前髪を掻き揚げて。
時には煙草の煙を細く吐いて。
時には舌で唇を舐めて。
時には嫣然と笑って。

時には口元でゾロの名を呼んで。


下半身に熱が集まるのに毎度焦りを感じて、ゾロが視線を外す。
これはどういう感情だ?
これはどういう状況だ?
自分を襲う焦燥感と、空虚感。
何かが足りなくて、それを性急に手に入れたくて、でもそれが何だかわからない。
色恋沙汰など切り捨ててきたゾロには、全く検討が付かないのだ。
ただの性欲なのか、それとも・・・・・・他の何かか?
答えなど出ないまま、熱い身体を持て余し、バスルームへと向かう。
そのゾロの姿をサンジがほくそえんで見ていたことに、ゾロは気付かなかった。




「どういう、つもりだ?」
その日の夜、ゾロは終にサンジに切り出した。
皆も寝静まった夜。
ラウンジには明日の仕込をするサンジと、酒を飲むゾロだけだ。
先程までナミとロビンが付き合っていたが、あまり遅いと美容に悪いとか何とか言って女部屋へと下がっていった。
大抵、すぐにゾロも引き上げるのだが。
この絶好の機会を逃すわけにはいかない。
あの、あの意味ありげな視線の意味を教えてもらわなければ。

「・・・・・・何が?」
シンクに向かい、最後の仕上げをするサンジはゾロの方を向くことなく言葉を発した。
それが妙にムカついて、ゾロは立ち上がってサンジへと歩み寄った。
「何で、あんな目でオレを見やがる?」
「・・・・・・ん?・・・・・・さぁな。」
「誤魔化すんじゃねぇ。」
「じゃあ、何て言ってもらったら納得できんだ?剣豪さまよ。」
茶化すように言われた言葉にカッとなったが、その後向けられた視線に背筋に電撃が走ったかのような衝撃を受ける。

同じだ・・・・・・あの、熱い扇情的な視線。

ゾロは無意識にサンジの腰へと腕を伸ばす。
クルッとサンジの身体の向きを変えても、視線はそのままで。
両手でサンジの肩を掴むと、更に嫣然と笑う。
「何だ・・・・・・ゾロ・・・。」
名前を呼ばれて、そのまま薄く開けられた唇の向こうで誘うように舌が動く。
「オレを、抱きてぇか?」
直接的な言葉でカッと頭に血が昇る。
それ以上に、ゾロの分身にも熱が溜まる。
それでも動き出せないゾロに、サンジが最後通牒を突きつけてきた。

「いいぜ。抱かれてやるよ。」




シンクに凭れた状態で、ゾロは自分の足元に跪くサンジを見下ろす。
シャツだけを引っ掛けたしどけない格好で、ゾロの股間に頭を埋めるサンジを。
白い細い指で扱きながら、クチュクチュとゾロの一物を咥えているサンジを。
その光景だけで、ゾロの興奮はピークに達していた。

あの、いけ好かない不遜な態度のコックが。
あの、男としてしか仲間としてしか見ていなかったコックが。

自分のアレを口の中に入れて嘗め回しているなんて・・・。

「・・・・・・・・・くっ・・・」
耐え切れずに声を上げれば、サンジがあの視線を上目遣いに寄越してニッと笑う。
それにまた欲情してしまい、サンジの口内のモノが更に質量を増す。
「くふっ!・・・・・・てめぇ、これ以上デカくすんなよ。」
一旦外に出されたそれとサンジの唇との間に、サンジの唾液とゾロの先走り液とが混ざり合って糸を引く。


堪らなくセクシャルな情景に眩暈さえする。


「このまま、口でがいいか?それとも・・・挿れるか?」
台詞を最後まで聞くことなく、ゾロはサンジの胸倉を掴み上げてその口に喰らい付こうとした。
その瞬間、サンジのあの扇情的な視線が揺らいだ。
そして、ゾロの肩を掴んで突っ張り、顔を横に背けて言う。

「キスは・・・・・・ダメだ。」

その言葉にゾロが噛み付く。
「何でだ?!」
「・・・・・・何でもだ!!」
口調はキツイが、その視線は・・・・・・。

不安そうな、困ったような、泣き出しそうな・・・そんな視線で。

(何でそんな顔しやがる?!)
ゾロはワケがわからない。
自分から誘っておいて。
自分から仕掛けておいて。

何故キスごとき嫌がる?

ゾロが訝しげにサンジを睨み付ける。
それに対して、サンジがまたあの視線を取り戻して言う。
「キスなんざしねぇでいいだろ。挿れてぇなら挿れさせてやる。待ってろ。」
シンクの上からオリーブオイルを取り、サンジが手にトロリと垂れ流す。
手を摺り合せて万遍無く両手に塗りたくると、片手をゾロの雄に、もう一方の手を自身の尻に持っていく。
そして、少し萎えたゾロの根元に絡みつかせ舌で先端を愛撫しながら、尻に持っていった手を動かしている。

(自分で解す気か!)

見ているだけでも我慢出来なくなるようなサンジの痴態。
自分のしていることで感じているのか、サンジが時折声を上げる。
その声が、またゾロの心を鷲掴みにする。
ゾロの雄を直撃する。

「・・・・・・まだ、か?」
「んんっ・・・・・・ふっ・・・、意外、と・・・堪・・・え性が、無ぇ・・・な・・・。」
「あぁ、待てねぇ。」
「・・・・・・仕方ねぇ。座れ。」

サンジが手をゾロのから離し、その場に座るよう促される。
シンクに凭れたまま座るゾロに、サンジが舌舐めずりをする。
それを見てゾロはゴクッと喉を鳴らす。

(堪んねぇな、こいつは。)

サンジがゾロに背を向けて、先程まで解していた後孔を晒す。
紅くてヒクヒクと蠢くそれは、ゾロの欲情を煽るには充分過ぎるほどで。
ゾロがサンジの腰を持つと、一瞬サンジがピクッと震えたが。
それを咎めることなく、ゆっくりとゾロの雄の上に下ろしてきた。

「んんんんっ!!!」
「・・・・・・くっ・・・・・・。」

解しきれていなかったのだろう、入り口はかなり狭く、少し入ったところで止まってしまった。
それでも内部の熱さはゾロに伝わる。

(これで、根元まで包まれたら・・・・・・!)

そう思っていると、サンジがゆっくりと腰を回しながらゾロの砲身を内部に納めていく。
片手は床について自身を支えているが、もう一方の手はサンジの脚の間にあり腕が上下に動いている。
何をしているのかと少し身体を起こしてサンジの肩越しに覗いて、目を見開く。


オイルに濡れた手で、自分自身を扱いているのだ。


物凄く欲を煽るその行動に、ゾロの雄が更に質量と硬さを増す。
それをサンジの内壁がグプッと音を立てて飲み込んでいく。
「んっ・・・・・・ふっ・・・・・・。」
声を殺して喘ぐサンジに、ゾロはもう我慢できなくなった。
サンジの腰を持つ手に力を込めて、サンジの身体を前へ倒す。
抗議の声を上げるサンジに構うことなく、四つん這いにさせたサンジの尻を鷲掴んで自身の腰をグッと進める。
「ううっ!!」
キュッと締まったサンジの内部が目茶目茶イイ。
ゾロは本能に任せて、その内壁を浅く深く突きまくった。
自らが支えきれないのか、突っ張っていた腕を下ろして、腰だけ突き出す格好で背を撓らせて身体を震わせるサンジに何か
物足りなさを感じつつも。
ゾロは最後のグラインドをサンジに叩きつける。
ゾロが達したのとほぼ同時に、ボタボタッと床に液体の落ちる音が聞こえて。
サンジもイッたことを知った。




ハァハァと熱い息を吐く2人。
イッたのに何か不満で、物足りなくて、ゾロはそのままサンジの中にい続けた。
それを訝しく思ったのか、サンジが身体を起こして前を見たままゾロに言った。
「どうした?抜けよ。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・?まだ、物足りねぇのか?」
「・・・・・・ああ、足んねぇ。」
「!仕方ねぇな。んじゃ、そのまましろよ。」
クククと笑いながらサンジが言ったが、ゾロは動かない。

それだけじゃない。
ただ、したいだけじゃない。
・・・・・・なら、何が足りないのか?

ゾロがサンジから自身を抜いて、サンジを座らせ、サンジの背中を擦る。
ピクッと震えるサンジに、ゾロが言った。

「こっち、向け。」

その言葉にゆっくりと振り返るサンジの視線は、今までの欲を煽る視線ではなく。
どこか心配そうな、心許無いような視線で。
それを見て、ゾロの雄がまた芯を取り戻す。

(これだけじゃねぇ。)
そう思って、また違うことを口に出す。

「シャツ脱げ。全部見せろ。」

サンジは目を見開いてゾロを見てくる。
身体の向きは変えることなく、その場にゾロに背を向けて、顔だけゾロに向けて。
「オ、オレの裸なんか見てどうする気だ?」
「てめぇとしてんだ。どうするもこうするもスルに決まってんだろ。」
ゾロがそう言うと、一瞬目が泳いで、またあの扇情的な視線を取り戻す。
「何だ。男とも出来んのか?そういう趣味があったとはな。」
サンジが言いながら、シャツのボタンを外しバサッと横に放り投げる。
現れた白い肢体にゾロの鼓動が高鳴る。

(まだだ、これだけじゃねぇ。)
その身体を後から抱き締めて、胸を弄ればサンジが制するようにその手を押さえてくる。
ならばと、ゾロはサンジの股間に手を伸ばす。

「オレにもてめぇのコレ触らせろ。」

ゾロの手をサンジが寸での所で止める。
止めて、後ろのゾロを振り返る。
不安そうな、怖気付いたようなそんな視線を寄越してくる。
「な、な、何で?」
「触りてぇんだよ。」
「んなん触ったって、てめぇ気持ち悪いだけだろ?」
「何で?気持ち悪いなら最初からてめぇなんかとしねぇ。てめぇのだろが。んなワケねぇ。」
「!!!」
驚いて固まるサンジに、ゾロは更に言葉を続ける。

だって、まだまだ物足りないのだ。
(ちゃんと顔見てぇ。)

「こっち向けよ。」

ゾロの言葉に首を振るサンジ。
「顔見たら萎えんだろ?」
「・・・・・・いや、それはねぇ。」
「・・・・・・でも・・・。」
「じゃ、キスは?キスはなんでダメだ?」
「キスは好き同士だけがするもんだ。てめぇは違うだろ?」
「・・・・・・・・・。」

確かにそうかもしれない。
好き同士・・・・・・オレは、コックのこと好きじゃないのか?
じゃあ、コックは・・・?

ゾロは考える。
考えて考えて考えて・・・・・・改めてサンジを見る。
後から見ても今にも涙が零れそうな、そんな弱々しい表情で。

「こっち向け、コック。」

思わず頬に手が伸びる。
それに対し、今まであれだけのことをしても快楽を示す反応以外しなかったサンジがビクッと肩を震わせた。
その時、ふとゾロは何かわかったような気がした。

だから、言ってみた。
「キス、してぇ。」
「ダメだ。」
「でも、してぇ。」
「・・・・・・ダメだっつってんだろ。」
「でも、してぇんだよ。サンジ。」

名前を呼んだら、また肩を震わせる。
目まで潤ませて。
堪らない気持ちになってゾロが言う。

「してぇんだよ。こんなん、オレ初めてだからよくわかんねぇけど。てめぇのあの視線感じると堪んねぇ。でも、今のてめぇの顔
見てるともっと堪んねぇ気持ちになる。キスしたら、きっとわかると思う。てめぇと、キス、してぇ。」
「・・・・・・ダメ、だ。ゾロ。」
ポロポロ涙を零して、サンジが拒絶する。
もう、ゾロはどうしていいかわからなくて、目の前の身体をギュッと抱き締める。
サンジの涙がゾロの腕を濡らしていく。

「なんでだ?」
ゾロがサンジの背中を撫で擦りながら聞く。
答えられないのか、答えたくないのか、ただサンジは首を横に振るばかりで。
「このまましろよ、ゾロ。」
「キス、してぇ。させろ、サンジ。」
サンジが泣きながらゾロを振り返る。
それを了承と取って、ゾロはゆっくりとサンジに唇を重ねていく。
触れ合って、啄ばんで、舐めて、舌を絡め取って。
唇を離してサンジを見れば、先程よりも涙がボロボロ零れていて。
そんなサンジに、ゾロは自分の気持ちをはっきりと悟った。


「てめぇだから、抱きてぇと思った。てめぇだから、キスしてぇと思った。・・・・・・これは、恋だな。」


そう言うと、サンジがバッと顔を両手で覆い、うううっと声を上げて泣き始めた。
ワケがわからず、ゾロはサンジを抱き締める。
それはもう、力いっぱい。
背中に、項に、耳に、キスを落として。
肩を優しく撫でて、顔を覗きこんで。
ただただ、好きだと囁く。

「ダ・・・ダメだ、ゾロ。んなこと言うな。」
「何でだ?てめぇはオレのこと嫌いでこんなことできんのか?」
「違っ・・・好きだ、好きだ、てめぇのこと。でも、オレはダメなんだ。」
「・・・・・・何が?」
「オレは、てめぇの全部欲しくなっちまう。心も身体も過去も現在も未来も夢も。てめぇを束縛して二度と離してやれなくなっち まう。」
「いいじゃねぇか。そんなんお互い様だ。」
「・・・・・・ダメだ、ゾロ。てめぇはオレなんかに惑わされちゃダメだ。」
「じゃ、なんでこんなことした?」
「オレはてめぇが好きだから。もう限界だったから。身体だけでも貰おうって。それ以外求めないようにって。なのに・・・・・・。」
そう言って泣くサンジをゾロは優しく抱き締める。
「束縛しろ。オレはそれでも夢を追う。お前も追え。一緒にいよう。一緒に夢叶えて、心も身体も過去も現在も未来も共有しよ う。」
「・・・・・・ゾロ・・・。」
「強くなれ、サンジ。お前がいれば、オレも強くなれる。」
「・・・・・・ゾロっ!」
抱き締めるゾロの腕に、サンジの腕が重ねられる。
ギュッとしがみ付く腕の中のサンジが愛しくて。
耳元で何度も何度も名前を呼んでみた。
その度に名前を呼び返してくれて。


足りなかったのはコレだと、確信した。








いつものように後甲板で鍛錬に身を費やすゾロだったが。
またしても視線を感じてラウンジを覗く窓を振り返る。


あの後、2人とも素っ裸になって、正面から抱き合って、サンジの身体中に自分の跡を刻み付けて。
泣きながら、名前を呼びながらゾロを見詰めるサンジの視線はそれまでのものではなく。
なんとも言いようの無い、暖かくて甘くてゾロを蕩けさせるような視線に変わった。

そして、今また。
サンジから寄せられる視線は、ゾロの胸を焦がしていく。
それまで寄せられた視線など比較出来るはずも無く。
ただただ、ゾロはその視線を受けることに幸せを感じている。




振り返った先にあるのは、サンジの少し驚いて、そしてふんわりと笑む―――
その甘い甘い視線だけ。




END


海賊版誘い受けサンジv




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