ゾロの幸運・サンジの不運。




   チョッパーは到着した島で薬の調合に使う薬草などを買い求めていた。
   それはもう熱心に吟味しては、店主にその効能や副作用などを細かく聞きだして。

   (これで全部揃ったかな・・・。この島が大きな街で良かったなぁ〜。)

   そう思いながら、青いリュックをぱんぱんに膨らませて店を出た。

   「おぅ、チョッパーじゃねぇか・・・。」

   そこに聞き慣れた声がしてチョッパーは振向いた。

   「ゾロ!!!」

   目を大きくして、それはもう驚いた顔をしたチョッパー。それを見たゾロが首を傾げて。

   「どうしたんだよ、そんなに慌てて・・・。」
   「ななななんでもないよっっ!!!」

   チョッパーはそう言うと一目散に走り出してしまった。
   ゾロはその背中に揺れる膨れ上がったリュックを見ながら、優しく笑う。

   (あいつ・・・オレの誕生日に何か買ったんだな・・・?)

   もうすぐ自分の誕生日を迎えることで、サンジにまで街に一緒に行くのを断られていたゾロは
   チョッパーのその行動で容易に察しがついたのだ。しかし、チョッパーが出てきた店を見て。

   (いや待てよ・・・ここって薬屋じゃねぇか・・・。じゃぁ、違うか?)

   そう思いつつ。

   (それにしても・・・折角帰り道が分る奴を見つけたってのに・・・。)

   相変わらず迷子になっていたゾロは刀に腕をのせて、また当ても無く・・・
   いや、一応本人的には船に向かって歩き始めた。





   大慌てで船に戻ったチョッパーは直ぐに倉庫へと篭るとリュックの中から沢山の薬草や薬剤を取り出す。
   それからロビンから借りた分厚い本を開くと、何やら薬を調合し始めたのだ。

   (うまく出来るといいんだけどなぁ。誰にも試すことなんて出来ないし・・・。)

   少し不安そうな顔を見せながら、本と睨めっこをしているチョッパー。
   そこに島から戻ってきたロビンとナミが笑顔で倉庫に入ってきた。

   「チョッパー、必要な物は揃ったの?」
   「うん!これで大丈夫だと思う。でも、もしも失敗したらどうしぉ・・・。」
   「まぁ、大丈夫よ船医さんなら。それに、その薬は実際に作られていた物なんだから。」
   「そ、そうだよな!オレ頑張る!!ゾロ、喜んでくれるかなぁ〜?」
   「それは保障するわよv」

   ナミとロビンはとびっきりの笑顔でチョッパーに話しかけると、女部屋へと入って行った。
   チョッパーは2人に励まされて嬉しくなり、また薬の調合を始めた。



   チョッパーが今調合している薬はゾロが思った通り、ゾロへの誕生日プレゼント。
   昨夜、チョッパーは女部屋でゾロへのプレゼントをどうしたらいいのかナミやロビンに相談していたのだ。
   その時にロビンが見せてくれたに書かれていた薬。



   『Endless Night』
   恋人たちの素敵な夜を演出します。効果は絶大!!
   身体に塗って使用してください。



   ナミもロビンもそれが何なのかは分っていた。
   その上で、チョッパーにコレをゾロにあげたら凄く喜んでくれると思う、とそう言ったのだ。
   チョッパーはゾロが喜んでくれるもので、しかも、自分で作って上げられる、
   という部分にも魅かれ、その薬をプレゼントにすることを決めたのだ。
   女性陣の裏の策略を知らない、可愛いチョッパーは少しきつめの匂いを和らげたり、
   身体に塗るのであればもう少しゲル状のほうがいいかな・・・などと考えながら
   ゾロの喜ぶ顔を思い浮かべて、鼻歌交じりで調合した。





   そして、ゾロの誕生日。その夜の宴の最中に皆がプレゼントを渡していく。
   ルフィは『気持ち』、ウソップは刀の手入れの道具、ナミとロビンは服をそれぞれ渡した。
   そしていよいよチョッパーの番。どきどきしながらチョッパーは小さな小瓶をゾロに渡した。

   「ゾロ、誕生日おめでとう!」
   「おぅ、ありがとうな。」
   「これな、オレが作った薬なんだ♪」

   チョッパはえへへ、と笑いながら『Endless Night』の説明を口にする。

   「か・・・身体に塗って・・・?」

   ゾロにも当然、その説明を聞けば小瓶の中身が何なのかは分る。
   しかし、チョッパーが自らこんなものを作ったのかと思うと少し複雑な思いがして。
   何と言っても将来有望でゾロ自身も可愛がってるチョッパーだからだ。
   ゾロが戸惑った顔をしてその小瓶を眺めていると、チョッパーが聞く。

   「ゾロ・・・き、気に入らなかったか?!」
   「いや・・・そんなことはねぇよ?オレにとっちゃ凄く嬉しいモンだ。ただ・・・。」
   「なんだ?」

   黒くて大きな瞳を純真に向けてくるチョッパー。

   「チョッパー、この薬さ・・・自分で調べたのか?」
   「ううん・・・実はさ、何をあげていいのか凄く悩んでてナミとロビンに相談したんだよ。」

   ゾロはそこで直ぐに2人の魔女の差し金と分る。

   (ったく・・・チョッパーにこんなもんを・・・。)

   そう思いはするものの、チョッパーが作ってくれたのである。
   効果覿面であろうことは間違いないのだ。ゾロは早く試したくなって来た・・・。

   「チョッパー、有難う。すげぇ、嬉しいぜ。コレの感想は明日にでもこっそり教えてやるからな。」

   にぃ、っと笑ったゾロの顔を見てチョッパーも気に入って貰えたのだと納得して。

   「なんだよぉ〜コノヤロめっっ!!」

   全く隠しきれてないいつもの態度で喜びを全身に表した。





   その後宴は続いていたのだが、ゾロは早くチョッパーに貰った薬を試したくて仕方がなかった。
   既に今夜は男部屋はゾロとサンジに明け渡されることになっていたし、ゾロにとっては何の問題も無い。
   サンジを見れば甲板とキッチンを行ったり来たりしている。
   しかし、料理は全て運び終えたようで後片付けを始めている雰囲気ではあった。
   ゾロは立ち上がると、キッチンに向かったサンジを追う。そして、

   「サンジ。今夜はオレの誕生日なんだから、オレの言うこと聞け。」
   「ぬぁにっっ?!何だその偉そうな態度は・・・っっ?!」

   カッチーンとキたサンジはゾロに言い返そうとしたのだが、ゾロに担ぎ上げらて。
   あっという間に男部屋のソファへと押し倒される。

   「もう、我慢できねんだよ・・・いーだろ?な・・・?」

   サンジの上に圧し掛かってきたゾロがそう言えば。

   「ぁんだよ・・・まぁ・・・後は後片付けだけだし・・・。」

   もぞもぞと言うサンジ。
   ゾロがそんなサンジの唇に自分の唇を押し当てれば、サンジも腕をゾロの首に絡ませた。
   互いの舌が絡み合い、ゾロが目を開ければうっとりとした表情のサンジ。
   ゾロはそっとソファにサンジを寝かせると、首筋に唇を這わせて耳朶を甘噛みする。

   「っふ・・・・ぅん・・・・」

   それにサンジが甘い声で答える。シャツをたくし上げて、胸の突起に指の腹を当ててみれば
   既に浮き上がったそれは、少しずつ硬くなり、ゾロの指を弾き出す。
   サンジは自らシャツのボタンを外し、ゾロの頭を優しく撫でている。
   ゾロの愛撫に絶え間なく漏れ聞こえるサンジの甘い、甘い、吐息。

   (薬なんか使わなくても、イイ反応するけどよ・・・。)

   ゾロはそう思いながらも、ポケットに入れていたチョッパーからのプレゼントを取り出す。
   それに気づいたサンジは、うっとりした顔のまま聞く。

   「なんだ・・・・ソレ・・・・?」
   「チョッパーがよ、プレゼントにくれたんだ。身体に塗って使うんだとさ・・・。」
   「ふぅん・・・何だ?筋肉力増強剤か?」

   サンジは乱れた前髪をかきあげならが、気だるそうな表情。

   「いや・・・オレじゃなくて・・・・おめぇに塗んだ。」

   ゾロはそう言うとサンジのベルトを外し、スラックスを脱がせる。
   サンジは余り理解していないまま、ゾロのなされるがままになっていた。
   というのも『チョッパーがくれた』という言葉が、サンジに疑念を抱かせなかったのだ。
   ゾロは小瓶の蓋を開けると逆さにして、中に入っていたとろりとした液体を掌に出した。
   その掌でサンジのモノを優しく包むゾロ。

   「ん・・・っぁ・・・・」

   ゆっくりと上下させて擦ってやれば、サンジはまたその快楽に身を任せる。
   液体のせいで滑りが良くなり、サンジのモノは一気に完勃ちになる。
   ゾロは液体をさらにサンジのモノと後ろの蕾へと垂らした。



   サンジの身体が火照りだすのにそう時間は掛からなかった。



   「っはん・・・ぁ・・・・っっん・・・ゾロ・・・っっ・・・なんか・・・・っ変・・・・!!」

   サンジ自身も自分の身体の火照りに異常を感じ始める。
   いや・・・異常というよりかは、寧ろ、何時もよりもひどく身体が敏感になっているのだ。
   くちゅくちゅと音を立てながら、チョッパーからの薬とサンジの先走りが絡み合う。

   「すげぇな・・・もう、ぐっちょりだぜ・・・おぃ・・・?」

   ゾロがサンジにそう問いかければ、サンジは息を切らしながら答える。

   「うっせ・・・・ちげっっ・・・・んだっっ・・・!!なんか・・・変っっ・・・・っあっは・・・・ぁん・・・・!!」
   「変じゃねーだろ?イイんだろ?なぁ・・・?・・・流石チョッパーだな・・・・。」

   ゾロは既に濡れそぼったサンジの後孔に指を侵入させる。
   くぷん・・・とゾロの指がサンジの中を行ったり来たりすれば
   サンジの身体がびくん、びくん、と跳ねて過去に味わったことのないような快感が駆巡る。
   ゾロはサンジの中の敏感な部分を責め続け、同時に前を擦る動きも早めた。

   「っぁああ・・・・っっ!!!っや・・・っはぁ・・・ああっっ!!!」

   サンジの身体が大きく波打ち、サンジの身体に白濁が飛び散った。
   身体をびくびくと痙攣させながらも、それでもサンジのモノは勢いを失わない。

   (すげぇな、こりゃぁ・・・。)

   ゾロはそんなことを思いながらも、次に言われたサンジの言葉で頭が沸騰した。


   「ゾロ・・・っっ!!このまま・・・来いよ・・・・っっ!!!」


   ゾロは早急に自分のモノを取り出すと、一気にサンジの中にぐぷり、と押し込んだ。

   「ぅああああっっ!!!」

   サンジはゾロの背中にきつく腕を回して、その衝撃に声を上げた。

   (あっちぃ・・・・!!)

   何時もよりも、遥かに熱いサンジの体内は侵入したゾロのモノに絡みつく。
   っず・・・っず・・・・と腰を動かしていくゾロに合わせて、サンジの腰も動いている。

   「あぁ・・・っっ!!ゾロ・・・・っっ!!!!愛してるぜ・・・!!もっと・・・もっとだ・・・・・!!!」

   熱に浮かされているかのように、サンジはゾロを求める。
   何時もであれば、こんなことを口にするようなサンジではないことをゾロはよく知っていた。
   それでも、その言葉が嘘ではないことも知っている。

   (チョッパー・・・いぃプレゼントを有難うよ・・・。)

   ゾロは口元で哂うとサンジの身体をきつく抱きしめて。
   ぐっと、一気にサンジの奥を突き上げた。
   サンジはゾロにしがみつき、唇を欲し、一晩中ゾロを欲した。





   ―― ゾロの中にはこの上ない満ち足りた想いが溢れて。







   翌朝、サンジは身体をぴくりとも動かせないほどぐったりとしていた。
   ゾロがそんなサンジに今日は一日休めばいい、と言いながら額に唇を落とす。

   「クソ・・・なんだって・・・昨夜はあんな・・・・。」

   ぼそぼそと呟くサンジ。
   それを見ながらゾロはチョッパーから貰った薬の正体は黙っていることにした。

   (サンジにとっちゃー不運な話だろうけどよ・・・オレにとっちゃ最高のモンだ。)

   ゾロは小瓶をポケットに忍ばせると、サンジとは正反対に血色のいい顔で甲板に出る。
   そして、それを待っていたかのようにチョッパーがやって来て。

   「ゾロ、薬どうだった?!」
   「あぁ、流石チョッパーだな。すげぇ、効いたぜ!」
   「本当か?!えへへ〜〜〜褒められても嬉しくなんかないんだぞ?!」

   チョッパーはそう言いながら綻んだままの顔で、女性陣の元へと報告に走った。
   ゾロもそれは分かっていたが、喜んでるチョッパーを見ながら思う。



   (・・・・・・プレゼントは薬だけじゃなくて・・・エロコックもだったな・・・。)



   ゾロにとっては、最高にいい気分で迎えた誕生日翌日。
   サンジにとっては、身体の痛みに苦しんだゾロ生誕翌日。





Fin.


Backswordmanの七瀬吏緒さんから貰ってきちゃいましたv

小瓶の中味・・・・・・チョッパー、グッジョブ!!

いいんです。サンジは、身体なんか痛くなっちゃっても。
きっと、それでもゾロがいい顔してれば、ブツクサ文句言いながらも嬉しいんです。
サンジはそんなヤツです!(断言)


りおさ〜ん、ご機嫌なゾロをありがとうございましたvvv




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