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(あー、してェな・・・・・・・・してェ・・・・・・・・・・・) ゾロはもうずっとしていなかった。 狩る側から狩られる側になって、仲間が出来てたくさんの冒険を繰り返しているうち、本人も意識しないまま随分と長い時間が過ぎ ていた。 その間ゾロはずっと、していなかったのだ。 (処女が喰いてェ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・) かつて“海賊狩り”の異名を轟かせ人々を震撼させた剣士、ロロノア・ゾロ。 しかし彼には知る人ぞ知る更なる恐ろしい異名があった。 “バージン狩りのゾロ”とは、狩られた者やその肉親にしか判らないおぞましい呼び名。 そう、ゾロは自他共に認める大の処女好きだったのである。 しかしそんな彼もメリー号に乗ってからこっち、処女というものに全くありつけずにいた。 独り旅をしていた頃は自分の好きな時に女を捕まえガツガツ犯してしまえば問題なかったのだが、グランドラインに入ってからはまと もな島に辿り着ける事など極稀であり、例え生娘のにおいを嗅ぎ付けたとしても仲間の目のあるところでは容易に宿に連れ込む事 も出来なかったのだ。 更にあの金髪暴力コック、サンジに至っては異常なまでのフェミニストっぷり。 あんなうるさいのに自分の所業が知れればどんな仕打ちを施されるのやら、考えるだけで頭が痛い。 そんなこんなで仲間に自分の性癖を知られたくないゾロは、下半身事情をなかなか思うように出来なくなってしまったわけで。 (クソッ、キンタマ破裂しちまいそうだ・・・・・・・・・・・・・・・っ) グランドラインに入って早数ヶ月。 自慢の忍耐力もそろそろ限界を訴え出していた。 その時だった。 「お、そういやァもうすぐゾロの誕生日じゃねェか?」 マメなウソップの昼食中の一言で、ようやくゾロに転機が訪れたのである。 「ゾロ誕生日なのかっ!そうかおめでとうっ!!」 「なになに、アンタ11月生まれなの?」 「そうか誕生日かァ〜!それじゃ宴だな!肉だ肉〜!!」 クルーたちの盛り上がりは本人以上だ。 故郷を離れて以来、誕生日を意識して祝って貰った事など無かったゾロは少々驚きつつも、次第にその雰囲気にのまれていったり して。 「よーし、じゃあ11日までに欲しいもん考えとけよゾロ!」 「ちなみに借金帳消しってのはナシだからね」 ナミに先を読まれ口を開きかけたゾロはがっくりと肩を落としたが、それでも多少はワクワクとしていた。 誕生日を祝って貰えるのなんて何年ぶりだろう。 まだくいなが生きていた頃は、師匠の家でご馳走して貰った事が何度かあった。 その頃を思い出し、ゾロは少しだけ嬉しくなった。 (しかし・・・・・・・・・・・・・・・) いくら誕生日といえど、ゾロはプレゼントなんてものを貰った事は無い。 実際どこら辺までねだって良いものなのか、その辺りの際限が判らずにいた。 (そりゃ正直に今一番欲しいもんって言やァ、処女膜パツンパツンに突っ張らせた女だけどな・・・・・・・・) そう考えると股間が膨らみ始める。 もし口にでも出そうものなら、恐ろしい事になるのは目に見えているけれど。 けれどゾロも正直そろそろ我慢も限界という感じだった。 ここらで自分の手でも何でも使って抜いておかなければ危険な気がして、いそいそと風呂場に足を進める。 処女はイイ。 何がイイってそりゃ勿論締まりも抜群だが、やはり精神面で受ける快感のが多い。 それまで誰にも弄られた事のない部分を自分の指やペニスで開拓する。 その時の女の表情といったら格別だ。 股を開く事への恥じらいと恐怖、そして痛みと初めての感覚に困惑し泣き出す姿。 次第に気持ちよさそうな顔をしだしたらその娘はもう“女”になっている訳で、その瞬間に立ち会えた時などあまりの興奮にそのまま 射精してしまう事もしばしば。 更にあの処女膜と呼ばれる、入り口辺りでギチギチに突っ張っている襞。 それを突破する時以上に勃起する瞬間はなかなか無い。 亀頭にキツい輪っかをかけられたかのようなあの狭く小さい入り口に、ギュッとペニスを押し込む時。 痛いと喚く女もいる。 ブルブルと痛みに身体を震わせる女もいる。 小さく涙を零す女もいる。 出血する女もいる。 とにかく様々な反応を見せながら緊張する女たちの表情を観察するのが、ゾロの一番の楽しみなのである。 (うー・・・・・・クソ、んな事考えてたらもうビンビンだ・・・・・・・) 風呂場に行き着く前の妄想だけでペニスは既に凄まじく勃起しており、ゾロは前屈みになりながら風呂場の扉を開けた。 「あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「お」 ところがそこには風呂掃除でもしていたらしく、スポンジ片手に腕捲りをしたサンジの姿があった。 面倒臭い奴と鉢合わせたなァと思いながら、ゾロは蓋をしたトイレにどっかりと腰を下ろす。 「・・・・・・・・・何だよ、掃除してんだ邪魔すんなクソマリモ」 案の定サンジの不機嫌そうな声がかかったが、ゾロは黙ってズボンのチャックを下ろした。 「なっ、なにしてっ・・・・・・・・・・・・・・・!??」 サンジのひっくり返った声がする。 しかしそれも無視して下着からペニスを引きずり出し、ゾロはサンジに向き直ってこう言ってやった。 「男なら判るだろうが。気にすんな」 早く掃除を済ませて出ていけと暗に含ませながら、サンジが自分の股間を凝視しているのにも構わず扱き始める。 ギンギンに張り詰めたペニスはもう収拾など付きそうになかったし、ゾロとて我慢の限界だった。 脳内にはこれまで抱いた生娘たちの苦痛や羞恥に歪む顔が浮かぶ。 (してェな、やっぱ・・・・・・・・・・・・・・・・・) あの快楽は一度味わったら忘れられない。 次に処女喪失の瞬間に立ち会えるのはいつになるだろうと考えながら、ゾロは握り締めたペニスを震わせ達したのであった。 しかし妄想に更けるため瞑っていた目を開くと、そこには怒っているようにも泣きそうにも見える真剣な顔を真っ赤に染めたサンジが 突っ立っていた。 ゾロが扱き出してから全く動いていないのか、その身体は硬直しているようにも見える。 サンジの目はゾロを蔑む訳でもなく、ただ真剣に大きく見開かれていた。 (魚みてェだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・) 真っ赤になったサンジの顔を見ながらゾロがこっそりそんな事を思った瞬間、サンジは落ち着きなく足をもつれさせ一目散に風呂場 から飛び出していった。 「・・・・・・・・・・なんだアイツは・・・・・・・・・・・・」 その後ろ姿を眺めながら呟かれたゾロの声は、風呂場に小さく木霊したのであった。 「肉だ肉ーっ!サンジィ〜もっと肉持って来ーいっ!!」 11月11日。 この日はゾロの誕生日という事で、朝から飲んだり食ったりのお祭り騒ぎだった。 とはいえ誕生日などというのは単なる名目でこれと言って特別なお祝いがある訳ではなかったのだが、ゾロは堂々と酒を飲める事 に機嫌を良くしていた。 先日、欲しい物はなにかと聞かれて結局ゾロが要望したのは酒の飲み放題。 それについて「勝手な事を言うな!」と喚いたサンジに、もうじき次の島にも着く予定だから少しなら良いだろうと許可を下したのは航 海士だった。 何だかんだ言ってそういうところは甘いナミに感謝しつつ、ゾロは酒を煽り続けているわけなのだが。 先刻から自分の身体にビシバシ突き刺さる視線に、ゾロは少々居心地の悪い思いをしていた。 その視線の先には確認するまでもなく判る、金髪の暴力コックサンジの姿。 そうなのだ、サンジはあの日からやたらゾロに視線を送っているのである。 それはゾロがトレーニングをしている時だとか、昼寝をしている時だとか。 食事の時間に寝ていたゾロを起こしに来た時など、ゾロの目の前で立ち尽くし至近距離からしばらくジーッと見つめられていたのだ。 それもゾロが目を覚ましてしまうくらいに長い間。 しかしその視線からはやはり蔑みも憎しみも感じられず、ただ真剣なその表情はまるで何かを決心するかのような具合で。 そしてそんなサンジの視線は今日になって更にあからさまなものになっており、ゾロは大好きな酒を煽りつつ少しばかり居心地の悪 い思いをしているという訳だ。 かくしてその理由は、夜になりみんなが酔い潰れた頃、明らかになったのである。 深い闇に包まれた波は穏やかに船を揺らし、月の光を反射した水面がキラキラ光る。 朝からの宴会に疲れ果て酔い潰れた船長と狙撃手と船医は、看板にばったりと倒れ込み豪快な寝息を立てている。 女たちもそろそろ休むと部屋に戻った頃、ようやくゾロのペースも落ち着いてきた。 しかし久々に心行くまで煽った酒に満足しつつ、夜の海を眺めながら寝酒になだれ込んでいた頃。 未だ明かりがついているキッチンの扉が開き、風呂上がりらしく髪を濡らしたサンジが顔を覗かせたのである。 「ゾロ」 サンジは小さいが良く通る真っ直ぐな声でゾロの名前を呼び、シャツの袖口から覗く真っ白な腕で手招きをした。 その瞳はゾロの位置からでも判るくらいに緊張しており、いつもならばサンジに呼ばれて素直についていった事など無かったゾロも 重い腰を上げる。 キッチンの扉をパタンと閉め、食事用の長椅子に座っていたサンジの向かい側に腰を下ろす。 「なんだよ」 珍しく俯いたままのサンジに声をかけ、その反応を待つ。 するとサンジはこれまで見たこともないようなオドオドとした動作で少しだけ顔を上げた。 目だけでゾロを見上げ、何故だかその頬は赤く染まっている。 「お前、今日誕生日だろ・・・・・・・・・・・・・・」 「ああ、そうだな」 その口から紡ぎ出された声にいつもの暴力コックの面影は無く、サンジはどうやら酷く緊張状態にあるようだ。 つられてゾロの声も堅くなる。 サンジは落ち着きなくあちらこちらに視線をさまよわせながら言葉を続けた。 「えーと、あのさ・・・・そうだよな・・・・お前ェ誕生日なんだよな、19になったんだよな、おめでとさん。それでさ・・・・・この前の事と言 い、ハッキリ言ってその・・・・・・・溜まってんだろ?お前・・・・・・・・」 かなり逡巡しながらやっとサンジが言い切ったその言葉にゾロは唖然とする。 これまでこの男とこんな話をした事は無かった。 それは勿論、自分の性癖について仲間に知られたくないだとかそういうのも理由のうちにあるが、特にサンジとはそんな話をするよ うな雰囲気ではなかったからだ。 今になって突然こんな事を言い出したサンジに対し、ゾロは驚きを隠せない。 先日の風呂場であんなところを見せてしまったからかと思い、面倒臭い事になったとゾロは舌打ちした。 「ああそうだな、かなり溜まってる。だがこんなもんだろ海の上じゃ尚更・・・・・・・・・・・」 するとテキトウに流そうとしたゾロのその言葉を受けたサンジの喉がゴクリと鳴り、何かを決意したように口が開かれる。 「じゃあ大剣豪、俺の身体を使えよ」 これ以上無い程に真剣な眼差し。 ニヤリと笑おうとして失敗したらしく、不自然な形に歪んだ薄い唇。 どこから見てもサンジはどうやら本気だった。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」 「だーかーらーっ!俺がレディの代わりしてやるってんだよ!それにその・・・・・これが海の男の通る道・・・・・ってやつなんだ ろ・・・・・・・・?」 台詞の最後のところで頬を染めたサンジに、何故かゾロは既視感を覚えていた。 こんな表情はどこかで見た事がある。 それも酷く自分に馴染んだ、何か―――――・・・・・・・ 「あ」 そして思い当たった答えに、ゾロは絶句した。 ここ最近のサンジの何かを決意するように自分を見つめる視線。 先刻から頬を染めたり落ち着かなかったりと、隠し切れていない羞恥。 それらは全て、これまでゾロに処女を捧げてきた女たちのそれと激しく合致しているのである。 自分の考えに開いた口が塞がらない。 これまでサンジを、男を、そんな目で見たことは無かった。 そんな対象になどならないと思っていたから。 しかし今、ゾロの股間は主の動揺など尻目に激しく勃起している。 けれど少し考えれば別におかしい事など少しも無いのかも知れない。 ゾロは“処女”が好きなわけだ。 “まだ誰にも触れられた事の無い身体”が好きなのだ。 それに“男”か“女”かなんて事は、きっと関係ない。 ゾロが自分の考えにショックを受けている間にも、サンジは何かベラベラと1人でまくし立てている。 俺はちゃんとコックたちに教えて貰ったんだ。 海の男たちは自分より年上の男が溜まってる時には、自分の身体使って助け合わなきゃいけねェって。 お前は今日で19だろ?俺も年明けには追い付くけどまだ18な訳だし、今はお前の方が1つ年上だ。 そりゃ男なんかにケツ差し出すのはかなり決心が要ったけどよ、俺・・・・別にお前のこと嫌いじゃないし・・・・・その、ゾロになら良い かなーって・・・・・・・思ってさ・・・・・・・・・・ 緊張しているその口は饒舌で、ところどころ頬を真っ赤にしながら紡がれるその台詞は誰に習ったものなのか知らないが聞いた事も ないものばかりで。 それでもゾロは、頬を染めて喋くるサンジの肩をギュッと掴んで自分の方を向かせた。 驚いて目を見開いているサンジには構わず、とにかく今一番確認したい事柄を口に出す。 「おいてめェ、バージンか」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へ?」 「他の男にもヤらしてやった事あんのかって聞いてんだよ」 「ねっ、ねェよそんな・・・・・・・・・・・・・・っ!」 「なら良し」 決まりだった。 サンジは胸まで真っ赤に染めながらシャツのボタンを寛げていく。 先刻まで昼間のように明るかったキッチンは、今はランプの灯を絞られ、ある程度近付かなければお互いの表情が見えないくらいの 明るさしか無かった。 それはサンジが自分の身体を見られるのが恥ずかしいと言った所為だったが、その台詞は尚更ゾロを喜ばせただけだった。 長椅子にサンジを座らせ自分はその前で立て膝をする。 そのままゾロは目の前で色付く乳首に触れ、軽く引っ掻くように擦っていった。 「わっ・・・・・・・・・・・・・」 乳首など初めて弄られたのだろう。 自分の手の中で緊張し、強張った身体がゾロの情欲をそそる。 小さく尖ったピンク色の突起を口に含み、舌先で転がしてやるとサンジは何かに堪えるようにゾロの肩を掴んだ。 「どうだ?初めて弄られた感想は」 聞けば頬を真っ赤に染め、口を可愛らしく真一文字に結ぶ。 そんなサンジの反応全てがゾロの脳に刺激となって送られ、その股間を膨らませた。 すぐにでも尻の穴を弄ってみたくなったゾロは、サンジに下着を脱ぐように命じ、その恥ずかしがる様を観察する。 ベルトを外しチャックを下ろす指先は震えており、意を決したようにズボンと下着を一気に脱ぎ捨てたサンジの表情は最高に魅力的 だった。 「恥ずかしがる事なんか無ェ、ほら」 「お、おう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 椅子の上に足を置いて開脚するように言っても流石にそれにはなかなか応えられず、ゾロはサンジの太股を撫でさすりながら安心 させ手伝ってやる。 そしてようやく、小さくだが開脚させた足の付け根からは半勃ち状態のペニスと睾丸、それからひっそりと奥まっている薄ピンク色の 肛門が顔を覗かせた。 その光景にゾロの喉がゴクリと鳴る。 ゆっくり指を伸ばして小さな入り口を撫でれば、そこはヒクンと更に小さく窄んだ。 それに堪らなく興奮したゾロは、堪え切れずサンジの尻に吸い付く。 「わあっ!?」 舌の先を細く尖らせ、小さな入り口の皺をなぞるように舌を這わせた。 「ひっ・・・・・・・・ゾロ汚ェって、やっ・・・・・・・くすぐってェ・・・・・・・・・・・・・!」 初めての感触に混乱したサンジはそこからゾロを引き剥がそうと、ゾロの髪の毛を掴み腰を捩る。 ゾロはそんなサンジの腰を両手で掴み、滑らかな白い尻たぶを親指で左右に割り開いた。 「ひぁっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・あっ!!」 更に奥まった部分への刺激にサンジの身体がビクビクと跳ねる。 肛門を舐めるゾロの鼻ぐらに当たる睾丸もヒクンと収縮し、サンジが感じている事を伝えてきた。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・んっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ」 早く中を弄ってやりたい衝動に駆られ、ゾロは入り口をほぐすように舌で押し開いていく。 少しずつ柔らかくなっていく肛門と、サンジの詰めた甘い息遣いがゾロの興奮を最高潮に高めた。 しばらくしてサンジがようやく肛門への刺激に慣れ始めた頃、ゾロは舌を離しその真っ赤に上気した顔を見上げる。 羞恥と快感に涙を浮かべた瞳がゾロを見下ろし、半開きになった唇からは熱い息が漏れだしていた。 その色気にゴクリと喉を鳴らしながら、ゾロは興奮のため粘り気の増した唾液を自分の中指に塗り付ける。 「挿れるぞ・・・・・・・・・・・・・・・」 小さく声をかけた途端にギュッと目を閉じたサンジの表情を窺いながら、ゾロは指先をぴったりと閉じているサンジの入り口に押し付 けていく。 グッと力を込めて押してやれば、ぬめった指はサンジの体内に半分ほど納まった。 「ひっ・・・・・・・・・ぁ・・・・・・・・・・・・・っ!!」 声にならない声を上げながら、サンジは異物を体内に受け入れるという初めての感覚に戸惑いを隠せないようだ。 指先を少しでも動かそうものならゾロの腕を力無く握り締め、なんとか刺激の少ないようにと必死になっている。 そんなサンジの直腸に少しずつ指を押し込めていくうち、ゾロのペニスははちきれそうな程に育っていた。 「どうだ・・・・・・・・どんな感じがする・・・・・・・・・・・・・?」 そう尋ねるとサンジは目をキツく瞑ったまま小さな声で答える。 「なんか、出ちまいそ・・・・・・・・苦しいし・・・・・ヒリヒリする・・・・・・・・・・・・・」 「大丈夫だから、しっかり息吸って力抜いてろ」 「ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ゾロのアドバイスに素直に頷くと、サンジは大きく深呼吸を始めた。 ゾロはそんなサンジの様子を見ながら、果たしてこいつはこんなに可愛かっただろうかと自問した。 いつも顔を合わせれば憎まれ口ばかり叩く鬱陶しい存在だった筈のサンジは今、ゾロを受け入れるため必死になって初めての感覚 と戦っている。 俯いたり空を仰いだりと落ち着きのない身体はしかし、体内に埋め込んでいる指をコソコソと動かすだけでビクンと反応した。 そんなサンジが可愛くて堪らない。 なんとか気持ちよくしてやりたくて、ゾロは指を折り曲げサンジの腹側を一生懸命探った。 女はここに感じるスポットがあるらしく、初めてでも素質のある者はしばらくすると膣が潤い始める。 果たして男にも同じようなものがあるかどうかは不明だが、物は試しだとばかりにゾロはそこを探り続けた。 痛みを感じさせぬよう、ゆっくりと少しずつ。 「・・・・・・・・ぅんっ・・・・・・ゾロ・・・・・・・・・・・っ!」 しばらくすればサンジの肛門も少しずつだがほぐれ始め、指の出し挿れもスムーズに出来るようになってくる。 そしてゾロはようやく、サンジの反応が他の部分と微かにだが違うシコリのような場所を見つけたのだ。 そこを指の腹で優しくマッサージしてやれば、サンジのペニスはビクンと震え硬度が増す。 それは本人も気付いていないであろう微かな反応ではあったが、ゾロは他の部位を探る指を時折軽く逸らし、そのシコリを少しずつ 刺激していった。 ゾロがそうしている間もサンジはギュッと目を瞑ったまま緊張しているようで、時折息を詰まらせながら眉根を寄せている。 体内で指を動かされる事への激しい違和感の所為だろう。 その身体は未だに強張って上手く力を抜けずにいるようだった。 「どんな感じだ」 指の腹で優しくシコリを撫でながら問い掛ける。 するとサンジは潤んだ瞳を薄く開き、これまで聞いた事も無いようなか細い声でこう答えた。 「痛くはねェ・・・・・・・・けど、お前の指が入ってんだって思うと・・・・・・・恥ずかしい・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ!」 頬を染めてそんな事を言ったサンジに、ゾロのペニスからは床に伝って糸を引くくらいの大量の先走りが漏れ出した。 (なんだコイツは・・・・・・・・・・本当にあのコックか・・・・・・・・・・・・?!) 頬を赤らめて恥ずかしそうに腰を捩るサンジの言動はことごとくゾロのツボを突いてくる。 早くこの可愛らしい身体を“大人”にしてやりたくて、ゾロはサンジの体内に埋め込んでいる指先をクイクイと小刻みに動かした。 「うぅっ・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・・・っ!」 「2本目いくぞ・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「えっ、ちょっと待てゾ、ロ・・・・・・・・・あ・・・・・・・・・・・・・っ!!」 2本目の薬指を中指に沿わせながら少しずつ直腸に埋めていく。 サンジの全身は一気に強張り、柔らかくなってきていた肛門もキツく窄んだ。 「力抜け。俺のはこんなもんじゃねェからな」 そう言ってやれば、サンジはハッとしたような顔で必死に力を抜こうと努力する。 1本目の時より明らかに大きく響くグチュグチュという水音に、サンジは顔を真っ赤に染めて呻き声を上げた。 「ぅう・・・・・・・・・・・ぅ・・・・・・・・・・・んぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「痛ェか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」 ゾロの質問にゆっくりと首を横に振りながらサンジは息を吐く。 ゾロは「痛くはないが異物感は否めない」といった表情で歯を食い縛るサンジの後孔からいったん指を引き抜いた。 「ぅわぁっ・・・・・・・・・・・・・・!」 抜かれる時には排泄感でも感じるのか、元々狭い直腸が更にギュウッと締まる。 チュポンと指を引き抜いてサンジの身体を長椅子から下ろし、脱いだ自分のシャツを敷いた床に仰向けで寝転がした。 「この方がツラくねェだろ」 驚いたようにボーっとしているサンジの膝を両手で掴み、左右に大きく割り開く。 再び目の前に露わになった肛門を撫でながら、ゆっくりと指先を挿入していった。 「ゎ、あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 やはり先刻より幾分力の抜けたらしいサンジの肛門に指を突き立て、スムーズに出し挿れを繰り返す。 サンジは驚いたような声を上げながらも、さっきよりずっと楽になったその感覚を素直に受け入れているようだった。 縮こまっていたサンジのペニスが次第に芯を持ち始める。 シコリを意識的に押さえてやれば、小さな声だったが可愛らしく鳴くようになった。 サンジは自分でも己の身体の変化に戸惑っているらしく、おずおずと足を閉じて膝頭を擦り合わせたりしている。 恥ずかしそうに自分の尻の方をチラチラと窺うその姿はあまりにいやらしく可愛らしくて、ゾロは次第に我慢の利かなくなってきてい る自分に気付いた。 床に滴るほど大量に溢れ出している先走りを、空いている方の手で己のペニスに満遍なく塗り込む。 クチャクチャと優しく掻き回していた蜜孔から指を抜き取り、膝裏を掴んでその足を大きく左右に開きながら胸に付くまで持ち上げた。 そしてヒクリと蠢くその部分に、ゾロはようやく自身の先端を押し当てたのだ。 途端にサンジの身体が緊張に強張る。 ぬめった先端を小さな入り口に何度か擦り付けているうちに、サンジが蚊の鳴くような微かな声で呟いた。 「やっぱ・・・・・・・・・・いくら決心してても怖ェもんだな・・・・・・・・バカみたいに震えちまう・・・・・・・・・・・・・」 確かにゾロが持ち上げているサンジの膝は小さく震えており、その瞳は不安げに揺れている。 そんなサンジが可愛くて堪らなくて、ゾロは震えるその唇にキスをした。 「!!」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・くっ!」 唇を合わせたままグッと腰に力を入れ、先端がサンジの肛門にめり込む感覚に息をのむ。 初めゾロからの口付けに驚いたらしいサンジは目をどんぐりのように大きく見開いていたが、ペニスが体内に埋め込まれ始めると途 端にギュッと目を閉じて痛みに耐えるような顔をした。 「ぅ・・・・・・・・・・ぅっ・・・・・・・・・・・・・・!!」 一番太いところを抜け、亀頭がサンジの体内に納まる。 その感触にゾロはブルッと身体を震わせた。 熱く、キツく、柔らかく、サンジの直腸はゾロのペニスに絡み付く。 グニグニと蠢く腸壁に亀頭部分をマッサージされ、ゾロはすぐにでも達してしまいそうな気分になった。 唇を離せばサンジは苦しそうに小さく呼吸を繰り返す。 痛みを散らそうとしているのだろう。 サンジは自分の指を必死に噛み始めた。 ゾロはそんなサンジの姿を眺めながら半身を起こし、細い腰を抱え直して挿入を再開する。 自身がゆっくりと体内に埋まっていく結合部とサンジの表情を見比べながら、ゾロは激しい興奮を覚えていた。 痛みと初めての異物感と闘うサンジの表情には酷くそそられるものがあり、それはこれまで抱いてきた女たちとの誰とも違うもの だ。 それが何なのかまではゾロには判らなかったけれど、とにかくサンジは特別である気がしていた。 長い時間をかけてようやく根本まで押し込んだ頃には、サンジはぐったりと酷く疲れているようだった。 しかし脱力していてもその身体から緊張は解けておらず、大きく持ち上げている足の指先はキツく丸められている。 小さく小刻みな呼吸を繰り返すその様子は非常にツラそうで、ゾロは少しだけ狼狽えた。 しかし次の瞬間伸びてきたサンジの腕に首を引き寄せられ、耳元でこう囁かれたのだ。 「なァ・・・・・・・・・・動いて・・・・・・・・良いから・・・・・・・・・・・・・・」 最後に“はやく”と象られた唇に吸い付き、ゾロは小さく腰を揺すり始める。 ガクガクとされるがままに揺すられるサンジの眉根が寄せられているのには気付いたが、もう腰を止める事など出来そうになかっ た。 サンジの内部は熱く湿っていて、ゾロはその最奥をこれでもかと言うくらいに何度も突き上げる。 次第に甘く響き出した矯声に気を良くしながら、サンジの体内に何度も精を吐き出した。 事後の火照った身体を寄せ合い、キッチンの床の上でぐったりと寝転がる。 腕枕をしてやれば、サンジはゾロの胸に甘えるように顔をすり寄せてきた。 「なんだよ」 その姿が可愛く思えて自然と口元に笑みが浮かぶ。 するとサンジは目を閉じたまま満足げな声でこう呟いた。 「お前にあげて良かったなあって思ったんだ、俺のバージン」 それからホウッと優しく息をついてサンジはゾロの身体に腕を回す。 「気持ちよかったからか」 「バーカ、そこだけの問題じゃねェよ」 ゾロがそう言ってやれば笑いながら小さく眉を寄せる。 その表情にゾロは、ああもうこいつは“処女”では無いのだと実感した。 途端に己の心が冷え始めるのを感じ、自分がもうこれで充分に満足した事を知る。 まだサンジが何か言っていた気もするが、ゾロは一気に襲ってきた睡魔に抗わず素直に目を閉じた。 「なんだ寝ちまったのかよ・・・・・・・・・・・・・・・」 いつの間にか寝息を立ててしまっているゾロの顔を覗き込み、サンジは小さく唇を尖らせる。 もう少しピロートークというものを楽しんでもみたかったが、こっちの方が断然ゾロにお似合いだとも思った。 自分の顔に自然と笑みが浮かぶのを感じ、サンジは目の前に横たわる逞しい胸に飛び込む。 頬をすり寄せ、ゾロのにおいを肺いっぱいに吸い込んだ。 ゾロとセックスをした。 自分の初めてをゾロに貰ってもらった。 幸せに目が眩む。 始め誘おうと決めた時は、まさか本当にこうして繋がる事が出来るとは考えていなかった。 軽くあしらわれるか気味悪がられて終わりだろうと、そう思っていたのに。 しかしそれでも勇気を振り絞って誘ったのは勿論僅かな期待もあったからで、もしかしたら抱いて貰えるんじゃないかと考えただけで 行動せずにはいられなかったのだ。 (だけどすっげェ、気持ちよかったなァ・・・・・・・・・・・・・・・・) まさかこんなに上手くいくとは思ってもみなかった。 サンジはこれまでセックスをした事が無かった。 それは後ろを使った事が無いというのも勿論の事、女の子との経験すら無かったのだ。 本当に本当のバージンであったサンジの身体をゾロは大切に優しく扱ってくれて、初体験であるにも関わらず本当に気持ちよくして くれて。 直腸にはまだ今でもゾロのモノが入っているかのような感覚が残っている。 中出しされた精液はじんわりとサンジの体内で温まっているし、少し息めば漏れだしてきそうなくらいにいっぱいだ。 ゾロに抱かれた証であるそれが堪らなく嬉しくて、サンジは頭を預けているゾロの身体にギュウッとしがみつく。 好きで好きで堪らない相手に初めてを貰ってもらえるという事はなんて幸せなんだろう。 (大事にしといて良かったな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・) ゾロはバージンにこだわっていたようだし、軽はずみに済ませてしまわないで良かったとサンジは心から思った。 朝早くから焦った様子のサンジに服を着ろと叩き起こされ、ゾロは寝ぼけた頭をなんとか働かせてシャワーを浴びる。 一晩放置された精液はカピカピに乾いていて、湯にふやけるとぬめりを取り戻し流れ落ちていく。 そうして全身を清めた後、ようやくスッキリした頭で午前中のトレーニングを始める事にした。 最近では色々と溜め込んでいた所為でイマイチ集中出来ていなかったトレーニングも、今朝は昨夜の行為のお陰か身になっている 気がする。 トレーニングも機嫌よく済ませた後、朝食をとりにキッチンへと向かえばそこにはクルーたちに給仕するサンジの姿があった。 その姿は別段いつもと変わりない筈なのに、何故か昨日までと違って見える。 なにが違うのだろうと不思議に思いジッと見つめていると、こちらを向いたサンジと目が合った。 途端にサンジは頬を緩ませ、これまで見たこともないような綺麗な顔で酷く優しく笑ったのだ。 その表情は一瞬でいつも通りのコックのものに戻ったが、ゾロは網膜に焼き付いて離れないその顔を幾度も反芻しながらボーっとし ていた。 しばらくしてナミのよく通る高い声がゾロの意識を引き戻す。 「なんだかサンジ君、今朝はいつもと違うわね。何か良い事でもあったの?」 「えっ、そうかな?」 ナミにそう言われた途端、サンジの目元に微かな赤みが走る。 それには気付かずナミはロビンにまで話を振り、サンジはワタワタと狼狽えた。 「そうよ。ね、ロビン、そんな気がしない?昨日飲んだお酒が良かったのかしら?」 「ええ、男性にこんな形容詞を使うのは失礼かも知れないけれど、なんだか綺麗になったわコックさん」 更にロビンにまでそんな事を言われ、とうとうサンジは顔を真っ赤にする。 それを見てゾロは「こいつを綺麗にしたのは俺なんだ」と何故だか誇らしげな気分になっていた。 そしてそんな感情を抱いた自分に驚き、目を見開く。 これまで抱いた女たちにそんな感情を持った事など無かった。 いつもセックスの興奮はすぐに冷め、事後にどうこう考える事など無かったというのに。 ゾロは初めてのそんな気持ちに戸惑いながらも食事を済ませ、昼寝(まだ午前中であったが)でもしようとラウンジの壁を背もたれに 船尾に座り込む。 目の前に広がる海の色を眺めながら、あいつの目の色もこんな感じだなァと無意識に思った。 思った途端にまたビックリして、ゾロは自分の意識が果てしなくサンジに向けられているのに気付いたのだ。 後ろの壁一枚を隔てた先には今頃サンジが朝食の後片付けをしているだろう。 あの白く細っこいくせにしっかりと骨ばっている手を水に晒し、軽やかに優しい手つきで食器を洗う。 以前皿洗いを手伝ってやった時に横から見ていて思ったのだが、サンジは本当に食器を丁寧に扱うのだ。 食事に使用した食器たちを労い、感謝の意を込めながら洗っていくその指は細く長く、綺麗だった。 (アホか俺は・・・・・・・・・・・・・・) そこまで考えてゾロは盛大にため息を吐く。 自分はとうとう本気でイカレてしまったのか。 先刻からの己の思考には本来男に対して使うべきでない表現が過分に含まれている気がする。 しかも抱いた後だけならまだしも、まるで以前からサンジを綺麗だと感じていたかのような口振りには自分でも驚いた。 昨日の事があるまでサンジをそんな対象に見た事など一度も無かったのに。 (なんでこんな執着してんだ俺は・・・・・・・・・・) こんな事は初めてでグシャグシャと頭を掻き毟る。 そしてゾロはようやく、これまでの女たちとサンジとのある相違点に気が付いた。 (そうか、抱いた後のアイツを見てるからか) 違う部分など数えていけば山程あるが、とにかく一番引っ掛かるのはそこだ。 これまで抱いてきた女たちとはセックスを終えた後はすぐに身体を離し、そして二度と会う事など無かった。 しかしサンジは違う。 ゾロは男に抱かれる前のサンジだって知っているし、セックスを経験した後のサンジもこれから見ていく事になる。 抱いた女のその後などこれまで見てきた事など無かった。 だからこんなにサンジに対して酷く執着しているかのような錯覚に陥っているのだろう。 (なんだそれだけの違いか。だったらあとは今までと変わりねェ) そこまで考えついて安心し、ゾロは「久々にたくさんの事を考えたなァ」と満足して目を閉じた。 身体も頭もスッキリして、非常に良い気分だった。 唇に何かがぶつかったような気がして目を覚ます。 すると目の前にははにかんだサンジの顔があって、寝起きであったゾロも驚きの余り一気に覚醒した。 「うお・・・・・・・・・・・・・・・!!」 「なんだよその顔。変なもん見たみてェな顔しやがって」 むくれながらもサンジは笑っている。 初めて見るその表情に驚きながら、ゾロはのそのそと起き上がった。 「飯か」 「そうだ。早く来ねェとルフィに全部食われちまうぞ」 そう言いながらやたら嬉しそうにニコニコと笑っているサンジに、ゾロは眉を寄せ訝しげに尋ねる。 「ヘラヘラしやがって不気味だな。いつもの蹴りはどうした。なんで蹴り起こさねェ」 するとサンジはきょとんと驚いたような顔をして大きく目を見開いた。 それから目玉を泳がせて「あー」とか「うー」とか何か言いたそうな声を出し、軽く俯いて目元を赤く染めながら小さく呟く。 「それくらい判れよクソ野郎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 呟いてからサンジは恥ずかしがるようにプイときびすを返し、わざと乱暴に足音を立ててキッチンへと戻っていった。 (なんだアイツ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・) ゾロはもう一度訝しげに眉根を寄せ、意味の判らないサンジの言動にちょっとイライラしながら自分もキッチンに向かった。 (あのバカ・・・・・・・・・・察しろっての・・・・・・・・・・・・・・) サンジは昼食を終えたキッチンで後片付けに勤しみながら、先刻のゾロとの会話を思い出していた。 ゾロを蹴らなかった理由は2つある。 1つは昨日初体験を済ませたお尻がまだ少し痛かったからという事と、2つ目はゾロに対する“愛”故だ。 これまでだってゾロの事は愛しくて堪らなかった。 勿論それは変わりない。 けれど以前のサンジに、その愛を表現する権利なんて無かったのである。 喧嘩の時に自分に向けられる視線だけが、ゾロの中に唯一許されたサンジの居場所だったのだ。 けれど昨夜、自分はとうとうゾロと一線を越える事が出来たわけだし、もう一歩踏み込んだ愛情表現をしても許されるだろうと思っ た。 だからキスして起こしたのだ。 気持ちよさそうに眠っているゾロの綺麗な顔をジッと見つめ、薄く結ばれた唇に自分のそれを合わせて。 そんな事を考えながらサンジは、だんだんと興奮してきている自分に気付いた。 昨夜ゾロの太い性器に散々擦られた尻の穴が、未だに続いている痛みとは別な感覚をもたらし始める。 (わ、なんだこれ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・) 意識的にヒクヒクと動かせば酷く気持ちがよくて、そんな自分の身体に驚きながらサンジは顔を真っ赤にしてそこを押さえた。 押さえた肛門は触れた瞬間にジワッと疼き、堪らない感覚を訴える。 (俺、スゲェ淫乱になっちまったみてェだ・・・・・・・・・・・・・・・・・) 肛門を押さえる指先にリズムを付けて優しく刺激しながら、サンジはゾロとのセックスを思い出していた。 ズボンの中のペニスは既に半勃状態だ。 いつ誰が入ってきてもおかしくない昼間のラウンジでやる事では無いというのは充分判っている。 けれどそんな理性も吹っ飛ぶくらいに、サンジにとって昨夜のゾロとの初体験は刺激的だったのだ。 股間の膨らみがまだ目立たないうちにと、サンジはこっそりラウンジを抜け出して風呂場に入る。 そこでペニスだけを扱き、昂ぶったその部分を鎮めようと射精にまで持っていった。 後ろはまた近いうち・・・・・出来るならば今夜、またゾロに触って貰おうと思う。 (昨日の今日であからさま過ぎかな・・・・・・・・?) それでもまたゾロの指やペニスで激しく刺激して欲しいと考えながら、サンジはうっとりと口元に笑みをたたえて射精したのであっ た。 今日一日中、サンジの様子がおかしかった。 やたらヘラヘラニコニコしているのはいつもの事だったが、時折うっとりと腑抜けた表情でゾロの方を見ていたりするのだ。 それはゾロがトレーニングをしている時であったり、昼寝をしている時であったり。 またこれまでとは違うその視線に、いくら鈍いゾロであってもサンジが何を求めているかくらいすぐに判ってしまった。 サンジはもう一度自分に抱かれたがっている。 これは自惚れでも驕りでも無く、サンジの視線がひしひしとそう伝えてくるのだ。 ゾロは面倒な事になったと頭を掻いた。 自分は同じ相手と何度も寝た事は無い。 それは“処女”にしか魅力を感じなかったからでもあり、以前抱いた女が何を勘違いしたのか自分と添い遂げるなどと言い出した事 に鬱陶しさを感じたからでもあった。 処女の中にはお堅く、面倒な輩もいるのだと身をもって感じたのだ。 それからは余り深く関わりを持たぬよう、身体を繋げた後はすぐに姿を消すように心掛けたりもしたものだ。 まあ昔の事は良いとして、とにかく自分には同じ相手と何度も寝るつもりはないと、サンジに伝えなければならない。 ゾロはみんなが寝静まってもまだ明かりの灯っているラウンジへと足を運んだ。 サンジはそわそわと落ち着かなかった。 ルフィやウソップ、チョッパーは寝た。ナミやロビンだって部屋に戻った。 ゾロはどうしているかと考える。 夕食が終わった後は鉄団子を抱えて船尾へと向かったようだったが、先刻サンジが風呂に入ろうと外に出た時その姿は見受けられ なかった。 もう寝てしまったのかも知れない。 そう考えて少しガッカリしながら、それでもまだ望みを捨て切れずにサンジは独りラウンジで、普段はあまり口を付けないお酒をチビ チビと啜っていた。 その時ラウンジの扉が盛大に開かれる。 ビクッと音のした方に目を向けると、そこには待ち焦がれた剣士の姿があった。 サンジは無意識に自分の頬が緩むのを感じる。 ホッとしたように小さく名前を呼んで、近づいてくるその腰に腕を回した。 「なあゾロ、今夜―――――――・・・・・・・・・・」 「もうしねェ」 抱き締めた腰に頬をすり寄せながら呟こうとした言葉をゾロの無粋な声に遮られる。 一瞬なにを言われたのか判らなくて、サンジはゾロの腰にしがみ付きながらバカみたいに聞き返した。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」 「お前とはもうセックスしねェって言ったんだ。俺はなんべんも同じ奴とヤるつもりはねェんだよ」 だからもう変な期待はするんじゃねェと言い捨て、ゾロはサンジの腕を振りほどきラウンジから出ていった。 残されたサンジはまだゾロに言われた事を上手く理解出来なくて、ぽかんと口を開けながら閉められた扉を見つめていた。 心が働き出す前に脳ミソが理解する。 自然と零れ落ちる涙を拭う事もせず、サンジは再びキッチンのテーブルに座り直した。 どうやらゾロと自分の価値観はかなり違っていたらしい。 ゾロが欲しくて仕方なかった自分と、後腐れのない一度切りの相手を探していたゾロ。 その差は余りに大きくて、壁は厚い。 (独りで舞い上がって・・・・・・・・・・バカみてェ・・・・・・・・・・・・・) 自嘲の笑みを浮かべながらも涙が止まらない。 ボロボロと頬を伝い机に染みを作る雫をぼやけた目で見詰めながら、とうとう堪え切れずにサンジは机に突っ伏して泣いた。 自然と漏れ出す嗚咽を堪えようとして失敗し咳き込み、何度もそれを繰り返す。 自分が酷く惨めでバカみたいで、サンジはずっと泣き続けた。 マストを背もたれに姿勢を落ち着け、ゾロは頭の後ろで腕を組んだ。 サンジにはしっかり自分の気持ちを伝えた。 少々突っぱねた言い方だったかも知れないが、変な期待を持たせてしまうよりは断然良いだろう。 これが自分のスタンスで、これまでだってそうして生きてきたのだ。 (しかしやっぱ仲間に手ェ出しちまうのは良くねェな・・・・・・・・・・・・・) 身体を逢わせた後も毎日顔を合わせなければいけないのは余り良い事だとは思えない。 まして自分のような考え方を持っているのでは尚更だ。 後腐れない関係を望むのなら、やはり立ち寄った島で適当に見繕わなければ。 (だがあのコックは女じゃねェ。最初のうちはショックかも知れねェが、じきに理解して諦めるだろう) 女という生き物は男よりも遙かに執念深いと聞く。 それに男は心と下半身を切り離して物事を考えられるのだから、そう思うと自分はそれほど判断を誤った訳ではないんじゃないかと ゾロは満足げに頷いた。 筈だったのだが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ なのに何故こんなに胸がスッキリしないのか判らない。 どうも先刻からモヤモヤとしたものが渦巻き、何かつっかえているのではないかと酷く気になる。 サンジには自分の考えをきちんと伝えたわけだし、これ以上なにを懸念する必要があるというのか。 自分の気持ちが判らず、けれどこのモヤモヤをどうにかしたくてゾロは頭を掻き毟った。 そしてサンジは今どうしているだろうかと考える。 目の前のラウンジの扉を見つめると、もう抱く気はないと伝えた瞬間のサンジの顔が浮かんだ。 一瞬訳が判らないと言った表情でゾロを見上げ、次に酷く傷付いた様子で瞳を揺らし。 きっと今頃、サンジはあの扉の向こうで泣いている。 そう思った途端、ゾロはラウンジに向かって駆け出していた。 先刻自分で閉めた扉を開けば、やはりサンジは机に突っ伏して泣いていた。 揺れる肩を荒々しく掴み起こし、抵抗する身体を床に押さえつける。 涙でグチャグチャに濡れたサンジの顔は酷く哀れで、見た瞬間に胸がギュッと痛む。 自分がこんな顔をさせてしまっているのだと思うと、まるで心臓を鷲掴みにされたような酷く苦しい気持ちになった。 細い肩を床に縫い付けつつ暴れる足を身体で押さえ、薄い腰からボトムを太股までずり下ろす。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ!?」 そこでようやくゾロの意図を理解したらしいサンジの瞳が大きく見開かれ、抵抗はより一層激しくなった。 「ヤらせろ」 けれど唸るように呟けば、見開かれたサンジの瞳が悲しげに揺れる。 自分が残酷な行為を強いているという自覚はあったが、それでも今ここでサンジを抱かなければもう自分は何も判らなくなってしまう ような気がした。 太股までずり下げたボトムの隙間から覗く、うっすらと赤く充血している肛門に指を這わせる。 何度かグニグニと揉みしだいていくうちにそこはヒクヒクと蠢きだし、サンジがどれほどここへの刺激を待ちわびていたのかを物語っ た。 ゾロは唾液で濡らした指を入り口にあてがい、ゆっくりとその体内へと挿入を開始する。 しかし予想外にサンジの中は熱く湿っており、なんと昨夜ゾロが吐き出した精液がそのまま残っていたのだ。 後始末もしていなかったのかと驚きながらスムーズに動く指で直腸をほぐし、サンジの表情を観察する。 サンジは昨夜のようにギュッと目を閉じながら口を真一文字に結び、眉根を寄せて必死で何かに耐えるような顔をしていた。 けれどゾロに弄られているそこからは快感が湧き上がっている筈なのに、指を2本に増やしてもその唇は堅く結ばれたまま開こうと はしない。 ゾロも少しずつムキになり始めてしまい、これならどうだという乱暴な気持ちでサンジの直腸にペニスを突き立てた。 「うああっ・・・・・・・・・・・・・・・・!!」 その瞬間サンジはとうとう堪え切れないというように身体を跳ねさせ声を上げる。 顔を横に逸らして陵辱に耐えているサンジを見ながら、ゾロはゆっくりと抽挿を開始した。 どうして自分がこれ程までサンジに執着するのか判らない。 自分の考えを伝えたのだから、そのまま時が経ちサンジの気が済むのを待っていれば良かった筈なのに。 どうして自分はここに戻ってしまった? 何故こんな無理強いまでしてサンジを犯している? 再びサンジを抱きながら、ぼんやり靄がかっていた心が次第にクリアになってくるのを感じる。 そうだ、サンジは始めからどの女とも違っていたではないか。 ゾロはサンジの強さや生き様だって知っている、抱く以前のサンジを知っているのだ。 これまでの、出会ったその日に身体を逢わせてきたような相手とは訳が違う。 男のくせに白く細長い指も、深い海の色をした瞳もずっと近くで見てきたのだ。 そしてきっと、少なからず惹かれていた。 (ああ、なんだ・・・・・・・気付けばこんなに簡単だ・・・・・・・・・・) 胸の仕えが降りたようにようやくスッキリとした気持ちになる。 しかしそれと引き替えに、今度は鋭い痛みがゾロの胸をつんざいた。 今ゾロの下には、必死で苦痛に耐えるサンジがいる。 当初なんとか声を殺そうと噤んでいた口は本人の意に反し、与えられる苦痛と快感から小さな啜り泣きと喘ぎ声を漏らす。 こんな暴力にすらサンジは感じているのだ。 それはつまり、長年ゾロに抱かれたいと恋い焦がれていた表れと言えるだろう。 どんな形でも良いから繋がりたかったのだと、サンジの身体はヒシヒシとゾロに訴えてきた。 (何やってんだ・・・・・・・・・・・俺ァ・・・・・・・・・・・・・・・) これは暴力なのだ。 相手の心と身体を傷付ける、酷く恐ろしい行為。 「ぅうっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」 ズルッとサンジの中からペニスを引き抜く。 するとその小さな穴からは、昨日ゾロが吐き出した精液と血とが混じって漏れだしてきた。 サンジは小さく呻き声を上げた後、顔は背けたまま視線だけをゾロに寄越し涙に濡らした瞳で睨み付けてくる。 「なんだよ・・・・・・・・やるんなら最後までやれ・・・・・・それともやっぱり、俺の身体にはもう飽きたとか言うのか・・・・・・・?」 最後の方は溢れ出る涙を堪え切れないと言ったようにボロボロ泣きながら、サンジは小さく掠れた声でそう言った。 それを聞いた途端、ゾロの胸がギュッと痛む。 一体どんな気持ちでサンジはこの言葉を口にしているのか。 どれだけツラく悲しい気持ちで―――――――・・・・・・・・・ 床に縫い止めていたサンジの両手首から手を放し、その腕で震える身体を抱き締める。 「・・・・・・・・・・・・・・・・なっ・・・・・・・・・・・・・・・・!?」 「悪かった・・・・・・・俺が間違ってた・・・・・・・・・・・・・」 少し汗ばんだ背中に腕を回し、全体を優しくさすっていく。 状況を掴めないらしいサンジはゾロの腕から逃れようと泣きじゃくりながらもがき出したが、ゾロはそれを許さずサンジを抱く腕に力を 込めた。 「ゃ・・・・・・・・・放せよっ!気紛れに優しくなんかすんじゃねェ!!」 暴れる足に背中を蹴り付けられながらも、白い首筋に唇を付ける。 ビクンと揺れた身体は少しずつ大人しくなり、首筋から顎、頬へと移りゆくゾロの愛撫に身体を緊張させていた。 「悪かった・・・・・・・・・」 「ぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 小さく気持ちのいい声を上げてから真っ赤に染まった目元を愛しげに見つめ、ゾロはその瞼に口付ける。 「すまねェ・・・・・・・・・・・・・」 何度も懺悔を繰り返しながらサンジに唇を寄せ。 「許してくれ・・・・・・・・・・・・・サンジ・・・・・・・・・・・・・・・・・」 小さく震える唇に自分のそれを重ねた。 「ん・・・・・・・・・・・・・・・!」 チュッと甘く吸い上げ、その隙間に舌を割り込ませる。 サンジの咥内は優しく潤っており、ゾロを拒むことなく静かに受け入れた。 「・・・・・・・・・・・・・ぅっ・・・・・・・・・・・・・・」 薄く目を開ければそこにはギュッと瞑った目からボロボロ涙を零すサンジの顔がある。 意味も判らず理不尽な思いをしているだろうに、サンジの舌はゾロを拒むどころか優しく受け入れ絡み付いてきた。 自由になった腕を首に回されしがみつかれる。 あれだけ自分勝手で酷い仕打ちをしたゾロを、何故サンジはここまで無条件に許す事が出来るのか。 唇を放してジッとその顔を見つめていると、サンジはゾロの心中を察したかのように泣きじゃくりながら、ゾロの胸に顔を埋めてこう言 った。 「お・・・・・俺は・・・・・・・・・ゾロが好きだからっ・・・・・・・ゾロを見てきたから・・・・・どんな事されたっててめェを許しちまう・・・・・・・・・こうし て優しくして貰えりゃ何されても良いって・・・・・・・・・・思っちまうんだ・・・・・・・・・・・・・っ」 ギュウッと胸を締め付けられる。 こんな事を言わせてしまった自分に嫌悪を感じながら、ゾロはサンジの身体を優しく抱き起こした。 自分の気持ちも伝えておかなければならない。 上手く言えるかは、判らないけれど。 「サンジ・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「俺は今まで人を好きになった事がなかった。だから愛するってのがどんな事なのか判らなかったんだ」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「だが今ならお前に対するこの気持ちが、愛ってもんなんだと判る。もう一度・・・・・俺と最初からやり直して貰えるか・・・・・・・・?」 それまで黙って聞いていたサンジだったが、ゾロの言葉を受けると更に腕にキツく力を込めこう言った。 「てめェとなら、どこからだって・・・・・・・やり直してやるよっ・・・・・・・・・・・・・・・!」 ゾロの指先がサンジの体内を探る。 気持ちのいい場所を掠められる度、サンジはピクピクと腰を揺らした。 「ぁ・・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・・・・・・・っ」 まだたった2度目のセックスだというのにこれ程まで感じてしまっている自分に赤面しながらも、サンジは腰を揺するのを止められな い。 ゾロの太い指は隅から隅までくまなく愛撫を施し、サンジに刺激を与えてくる。 「痛くねェか・・・・・・・・・・サンジ・・・・・・・・・・・・・・?」 体内を弄くる指は2本に増やされ、グチュグチュといやらしい水音を立てているけれど痛みは感じない。 必死で頷きながら大きく開いた足の間からゾロを見つめ、サンジは催促の意味で小さく腰を突き出した。 ゾロの喉がゴクリと上下する。 それから2,3度前立腺を狙ってグイグイと押し上げられ、その刺激にサンジがもがいているうちに指は引き抜かれた。 「あああぁっ!!・・・・・・・・・・・ぁ・・・・・・・・・あ・・・・・・・・ゾロ・・・・・・・・・・・・・・・」 「サンジ・・・・・・・・・・・・・愛してるぞ・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ゾロの台詞に涙が溢れ出す。 ペタリと入り口に押し当てられた塊は熱く湿っており、期待に身体がフルッと震えた。 大きく持ち上げられた自分の腰を眺めながら息をのみ、挿入の瞬間を待つ。 ゾロの腰に力が込められ、肛門を割り開かれるように圧力がかかり挿入が始まった。 ゆっくりゆっくりと一番太い部分がサンジの肛門を広げていく。 入り口の突っ張るような痛みと、直腸に待ち侘びた刺激。 全神経がそれらに向けられ、結合部を眺めながらサンジは淫靡な喘ぎ声を漏らす唇を噛み締めた。 「んっ・・・・・・・・・・・んんっ・・・・・・・・・・・・・・!」 けれど漏れ出す声は抑えきれず、自分のものとは思えない甘ったるい矯声がラウンジに響く。 羞恥心に苛まれながらもゾロが少しずつ腰を進める度、いやらしい声は止めどなく溢れ出た。 しかししばらくするとそのじわじわと焦れったい感覚に堪らなくなり、サンジはゾロの腰に脚を巻き付け催促するように引き寄せる。 驚いたゾロが目を丸めていたが知らない振りをして、サンジは自らもゆっくりと腰を揺すり始めた。 深々とゾロのペニスがサンジの体内に侵入を果たす。 根元まで受け入れたところでようやく、サンジは大きく息を吐く。 弄られてもいない自分のペニスが大きく張り詰め震えているのが判った。 気持ちよくて気持ちよくて堪らない。 サンジはゾロの身体にしがみつき、肺いっぱいにそのにおいを吸い込んだ。 「サンジ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ゾロの唇が頬に優しく押し付けられる。 それから額、鼻の頭を通って静かに唇を塞がれた。 ゾロにキスされている。 そう考えただけで胸は苦しいほどに締め付けられ、ゾロを受け入れている部分はヒクヒクと震え出す。 どんな形でも良いからゾロと繋がってみたいと、そう思っていた。 実際自分は、つい先刻までの暴力と大差ない乱暴なあの行為にも感じていた。 けれどやはり胸は苦しく溢れ出る涙は止まらず、何より心は激しい痛みを訴えた。 それに引き換え今のサンジは絶頂の間にいる。 ゾロが好きだと言ってくれ、キスをしてくれて、抱き締めてくれている。 たったそれだけの事で、している内容は同じである筈のこの行為は全く別の意味を成した。 サンジはゾロに舌を吸われながら小さく腰を揺らし始める。 もうこれ以上我慢出来そうになかった。 「あっ・・・・・・・・ん、ゾロっ・・・・・・・・・ああっ!!」 「くっ・・・・・・・・・・・・・・サンジ・・・・・・・・・・・・・・・・・っ」 サンジの体内でグチュグチュと卑猥な音を立てながらゾロの肉棒が行ったり来たりを繰り返す。 しかしそれは単に腸壁を擦るだけの単調な動きではなく、しっかりと一定のペースで前立腺を刺激しサンジを射精へと導いてくれる 動きだ。 次第に射精感が込み上げてくるのが判る。 突かれる度に下腹が震え、ペニスの先からはカウパーがトロトロと溢れ出した。 「んんっ・・・・・・・イキそ、ゾロ・・・・・・・・・・もう・・・・・・・出そうっ・・・・・・・・・!」 「俺もだ・・・・・・・・・・・・・・・・・」 我慢出来ずにサンジがそう伝えると、額に汗を滲ませながらゾロが笑う。 すると次の瞬間ゾロの動きは突然狙いすましたように前立腺ばかりを突き上げるものに変わり、その余りの激しさにサンジは身も世 もなく喘ぎ散らした。 「あああっ・・・・・・・・んぅ、ぅああ―――――――・・・・・・・・・っ!!」 ガクガクとされるがままに揺さぶられ、強すぎる快感に金髪を振り乱して身悶える。 前立腺を圧迫される度に何度もペニスの先から精液が漏れ出しそうになり、その初めての感覚に強く歯を食い縛って堪えた。 「あっ・・・・・・ゾロっなんか変っ俺・・・・・・・・・・・あっ・・・・・あぁ・・・・・・あっ!!」 そして腸壁がヒクヒクヒクッと不自然に痙攣した瞬間、サンジはとうとう自分のペニスから大量の精液が飛び散るのを感じた。 一気に解放感に襲われ潤んだ目でゾロを見つめながら、口もバカみたいにぽかんと開け放ったままで射精を続ける。 するとしばらく真剣に腰を揺すっていたゾロがサンジの最奥にペニスを突き挿したまま動きを止め、何かに耐えるような表情で目を閉 じた。 「ゾロ?・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぁっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」 どうかしたのかと問い掛けた瞬間、腹の奥深くにジワッと温かいモノが広がる。 その熱は次々とサンジの体内に放出されているようで、次第に入り口の方にまで広がってきた。 ゾロが自分の中で射精しているのだと考えただけで直腸がヒクリと疼く。 酷く幸せな気持ちのまま、サンジはゾロの筋肉質な胸に顔をすり寄せた。 「ゾロ・・・・・・・・俺、スゲェ幸せ・・・・・・・・初めての相手がゾロで、本当に良かった・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・これからも俺だけにしとけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 自然と出てきた言葉にゾロは優しい口付けで応えてくれ、ゾロとその台詞の不似合いさにサンジは頬を染めて笑った。 「あれは絶対なんかあった顔だったわよねェ」 「ええ、あんなに判り易いのも珍しいわね」 深夜の女部屋、ナミとロビンは顔を見合わせてクスクス肩を揺らす。 話のネタはもっぱら昼間のサンジの惚け顔についてだ。 「やっと念願叶ったりってとこかしら?」 「さあ、そうなら良いんだけど・・・・・・・・・・・・・・・・」 自分の秘めたる片思いが女たちにバレていた事など露知らず。 その夜サンジはずっと願ってやまなかったゾロの腕に抱き締められながら、それはそれは幸せな夢を見たのでありました。 おしまい |
Pillow Biter のpicoさんのところから戴いてきちゃいました。
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こちらは何が凄いって、サンジを思いっきりいじめて、んでもって幸せってとこでしょう。
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自分自身、M気質なため、虐め切れない私ですが、読むのは大好きなんですぅvv
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処女狩り・・・凄いね、ゾロ。漢前だぁ!
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でも、もうそんな事しなくてもいいよね、サンジだけで。
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たくさんの萌えをありがとうございましたv
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